『面倒くさい』。それを隠すことなく尋ねる。
移動途中、廊下で突然通るのを邪魔されたからだ。
訝しげな表情は特にうまく作れた気がした。
主語も述語も抜けて、意図が伝わらない。
日本語が上手く使いこなせないなんて気の毒なことだ。
何となく思い当たることはあるが、とぼけて見せる。
やはりこいつはすぐに頭に血が上るらしい。
口車に乗せられて、簡単に怒鳴る。
最初からそう言えばいいのにと思ったが、口にはしない。
残念ながら、自分は典型的な苛められっ子ではない。
苛められても構わないが、言いなりにはならないのだ。
召使いみたいになるのは何となく気に食わないのもあるが。
篠田はそういい捨てて去っていった。
カッターキャーといい捨て台詞といい、やること為すこと全てがダサい。あと知識がそれなりに古い。
だからこそ『ただの面倒くさい奴』止まりなのだが。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。