藤崎ぃ……許さん、許さねえ。
そこ! 私の記憶力が悪いせいで生夜トひよを見逃したとか言っちゃいけません!
前々世の記憶だからね!
もちろん、主要な夜トひよイベントやキャラクターは覚えているけど、出来事の因果関係を結びつけるとなると、抜けがあることが多いと気づいた。
前回の夏休みの夜トひよ見逃し事件(そもそも、大黒さんにシバかれるので私は小福邸の生夜トひよをみることができないけど)も、前々回の父様と呼ばせてください事件も、それが理由で失態を犯したからな。
私は、小福邸へと向かった。
小福邸の縁側の外から、私は呼びかける。
そして……
夏休み明けひよりちゃんは、藤崎に喧嘩を吹っ掛けた。
そして次の日。
病院でまる一日、私は待機していた。
ちらりと、ライオンに乗って空を駆ける、ハレンチな恰好の金髪のお姉さんを見て私はほくそ笑んだ。
影から鋭い爪を出して、攻撃していったり、影から出て不意打ちで蹴りを入れたりした。
もちろん、憑かれた人にはダメージはない。
線引きが上手いのだ。
私、やっぱり神器の才能あったんじゃないのかなあ。妖になんなければさ。
こんな調子で、毘沙門天が活躍する裏で、模様のついた妖を倒していった。
私は、毘沙門天の背後に迫った妖を討った。
ウソです。
一応、ローブを被っていない私と毘沙門さんって初対面のハズ。
バレねえバレねえ。
数時間後。
冷や汗ダラダラ。
藤崎ぃ!
さては、毘沙門天にびびって姿を現さずにことを終えたな!
うんうん、ちゃんと夜トは術師が自分の父親ってことを隠しているな。
私が空気読まずに事実をバラしてもいいけど、推しに嫌われたくないからな。
ひよりちゃんは、涙ぐんだ目をしていた。
そして勢いよく頭を下げたのだった。
そして、結局病院に術師こと藤崎は現れなかったけど、あみちゃん&やまちゃんの誘拐事件が起きたりした。
ま、これは二部で起きて解決しているので、この話はまた今度な。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!