※自⚪︎の表現あり!
みんなが険しい顔で話し始める。
あの日。とは何なのだろう何かの記念日?
でも記念日にしては雰囲気が暗すぎる。
何の話をしているのか,全く
理解できない
6月21日,俺,小鳥遊 杏が病院に来てから
2週間が経った頃だった。
この時のメンバーは,
俺・希空・楓都・涙伊・澪…そして、“瑠奈”の
6人だった。
彼女は誰にでも優しくて,
愛想が良くて,とっても元気だった。
けど,それは本当の瑠奈ではない。
元気っ子を演じている,言わば役者の
ような子だった。
普通の人からしたら,彼女が闇を
抱えているなんて事は思いもしないだろう。
けど,彼女の病気は決して簡単なものではなかった。
6月15日,この日は瑠奈の
病気が初めて目に見えた日。
急に奇声を上げて,壁に向かって謝り
続けていた,何だかこっちも不安に思えた。
瑠奈はたまに,瑠奈にしか聞こえない
誰かの声が聞こえるんだとか,
しかもそれが,彼女を傷つける言葉ばかりで,
それに苦しめられていた。
そんな状態がしばらく続くと,彼女は
叫び疲れて寝てしまっていた。
すやすやと眠る彼瑠奈の頬には
無数の涙の跡があった。
これから数日後の,ある日のこと。
俺は夜中,御手洗に行こうと体を起こす。
最近の病院は,夜でも廊下の明かりがついているのが
普通だ。ホラー映画で見るような真っ暗な病院を
想像していたが,思ったよりも明るく,安心している自分がいる
用を済ませた後,自室に戻ろうとした。
けど,屋上に繋がる階段を上っていく
人影が見えた。
瑠奈だった。
俺は彼女のことが気になり,
足音を立てないように,そっと階段を上った
in,屋上
屋上につき,ドアを開ける。
そこには案の定瑠奈がいた。
でも,いつもの瑠奈ではなかった。
フェンスの前で靴を脱ぎ,一枚の紙を
その靴の中に入れた。一体何がしたいのだろう
そう言うと,一瞬驚いた顔をしたのだが,
その後穏やかな笑みを浮かべた。
何だか不気味だった。
そんな言葉を残した。
まるで死ぬ間際の人間が言う言葉のようだ
そして
瑠奈はフェンスを跨ぎ,下を見る
『待って』そう言い終わる前に
彼女の姿は消えていた。
“ドンッ”と,鈍い音が響く。
下を見ようと一瞬思ったけど,怖くなって
直ぐに階段を降り,自室に戻った。
翌日,結局昨日は瑠奈のことが気になって
仕方がなくてあまり寝られなかった。
なんだろう,何か嫌な予感がする。




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!