仕事に向かおうとした私の姿が
いつもと違うことに気付いたユンギ
そう、今日は仕事だけど仕事じゃないような
いつもと違う特別な日
パーティーがある事は
前にユンギにも伝えてあったけど…
そういえばドレスアップの事は言ってなかったかも
何も言わないユンギに
頭からつま先まで舐めるように見つめられて
さすがに恥ずかしい…というか
もしかしてあの新年会の時みたいに
何か言われる?!と一瞬身構えたけど
ユンギの口から出たのは
意外にもあっさりした言葉
もっと反応してくれると思ったのになぁ
ほんの少しだけ残念な気持ちになりながらも
職場へと向かった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目の前に並ぶ
テーブルを埋め尽くす程の料理の数に
思わずそう呟かずにはいられなかった
これって何人前だろう
来るのは常連さん達だけなはずなのに
それにしてはやけに多いような…?
電話に出た店長さんはそのまま
店の奥へ消えてしまった
予定時刻まで…あと10分…
美味しそうな料理に
飾り付けられた店内
少しドレスアップした自分
まるで
この空間の主人公になったような
そんな気分になる
磨き上げられたグラスの数を確認していると
—————————————————————カラン♪
背中越しに聞こえたドアベルの音
あ、もう時間になったんだ
最初に来たのはどなたかな?
パーティーの始まりに
胸をドキドキさせながら
そうっと振り向いた
そこに立っていたのは
スーツを纏ったユンギだった
ユンギに招かれたのは
そう、ちゃんと今でも覚えてる
初めてユンギがこのお店に訪れた時に座った席
ユンギと向かい合って
その席に座った
私達以外誰もいない店内
やけに静かだった
ふぅ、とユンギが息を吐く音が聞こえると
ふふっと微笑んだ
見慣れないスーツ姿のユンギは
本当に格好よくて
長めの前髪からチラッと覗く
その瞳と目が合えば
さらに胸がドキッとした













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!