大橋side
いつもと変わらない。何もって訳じゃないけれど、いつもみたいに出かける2時間前には起きて、お風呂はいって運動して、発声練習も欠かせない。仕事をこなして、次よ予定を聞いて、そして帰る。帰ったあとも自分を満たすためのご飯を作って今日の疲れを洗い流して、また明日に向けての準備をする。
習慣づいたこのルーティンを一度たりとも崩したこともましてや辞めようとしたこともない。だからこそ、ホテルで誰かと一緒になる時に迷惑かけちゃうわけなんだけど。
今日も変わらずに撮影をして楽屋に戻る。
楽屋に入れば、撮影前にはなかったはずの小瓶がそこにあった。
小瓶は片手に収まるほどの小さな小瓶。中にはよく分からないけど液体が入ってるように見えた。
小瓶の中身は液体以外には何も分からない。瓶が茶色っぽいから、どんな色の液体なのか分からない。
何を思ったのか分からないけど、小瓶の蓋を開けてそのまま口に流し込んだ。
ほんのり甘くてサラサラして喉に入っていく。
これを飲んで
この後起きることなんて何も知らなかった
side無し
ここには、大橋以外のメンバーが集まっている。もう少ししたらメンバーみんなで撮影を始めるのに、いくら待っても来ない大橋に対して高橋が口を滑らす。
西畑も気にしていたみたいで、不安げな表情を浮かべながら今日の撮影内容を見返していた。
大西はスマホの時間を見て焦りを感じる。撮影がもうそろそろ始まってしまう。なのに大橋は来ない。
そう言って我先に楽屋を抜けてマネージャーの元へと向かっていった。
なんにも連絡が来ないとなると、不安の種はどんどん重たい内容へと持っていかれて、負の感情がメンバーにまとわりついていく
藤原からの連絡がくるまで楽屋内は負の感情でどんよりしていた。
ガチャ…
藤原は後ろに隠していたモノを前に出した。
モノと言うか…目の前に現れたのは人なのだけれど
メンバーの目の前に現れたのは、大橋に瓜二つな男の子がそこにいた。
きゅるきゅるした瞳に今よりも小柄な体型。
なんだか困った顔をして、こちらをチラチラと見ている。
長尾が目の前で叫んで、目の前の子はびっくりと目を開く。
口をぽかんと開けて信じられないみたいな顔をしてみんなのことを見つめる。
どうやらこの子は大阪のジャニーズ事務所に居ると勘違いしていたみたいだった。
西畑はみんなを連れていき円を描いてひっそりと話し始めた。
いつの間にか輪から外れていた高橋は、大橋の元にいた。
別に何か話すわけでもなくただ高橋は大橋のことをじっと見つめている。
指さした方向には藤原がいる。
名前で呼ばずに指だけを指すことに対して違和感を覚える
大橋は高橋が言っていることをまるで理解出来ず、頭の上にクエッションマークを浮かべているようだった。
パシャ…
この後も話しはそれに逸れまくり、楽屋内は色んな意味でうるさかった。
もちろんの事だが、撮影は行われてはいない。
こんな状態で大丈夫なのだろうか
そして大橋は元の姿に戻ることはできるのであろうか、





















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!