普通の人や普通よりも劣っている人は更に優れている人、特別な人に憧れる。だとすれば特別な人は何に憧れるのか、答えは普通の人だ。私は常に全てにおいてトップでなければならない、下心丸出しの同級生や面倒な教師と笑顔で交流しながら裏で大量の勉学や運動をして死にものぐるいで努力をしながらそれを見せつけるようなことはせず休日はカフェで優雅に過ごしているという設定もいつの間にかついていた。そんな自分の趣味さえも見つけることの出来ない生活の中で私は見つけてしまった、常に3番手の彼を。彼は常に私の後ろにいる、もちろん物理的な意味ではない。2番は毎回のように人が変わっているのにもかかわらず彼は常に3番にいる。彼のことを少しだけ観察したことがあるが平凡な暮らしをしていた。人と交流することもなく一人でいることも多いがある程度顔がいいため女子生徒にたまに話しかけられているがのらりくらりと躱している。真っ直ぐ家に帰り真面目な印象を受けるが特に勉強などをしている雰囲気はない。将来は普通のサラリーマンにでもなるタイプだ。ひとつ懸念点があるとするならば彼と話している最中に彼はよく下を見ることだ。下と言っても地面ではなくほんの少し下というレベルだ。猿のような同級生が私の胸をちらりと見てくることがあるが、そんな下心のあるものでは無いしなにかもっと違うものを見ている気がする。考えていてもしょうがない。今日はもう寝て明日の学校に備えるとしよう。午前2時。早いとは言えない時間だが努力をすれば失うものもある。時間と縁だ。溶けるようになくなっていく時間は友人も恋人もつくることを許してくれない。心の狭いやつだ。私は考えれば思考が止まらなくなってしまう。悪い性質だとは思うがこうして考えることは私を高みに連れて行ってくれると信じているし、私も思考という行為を神聖なものだと信じ今日も考える事をやめない。これに伴うデメリットは後々対処していけばいい。私にはこれしか落ち着ける方法がないのだから。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。