第4話

episode 4
141
2018/05/06 07:11
「こ、後野っ!」
昼休みの今、わたしは後野を呼んだ。
後野はふりかえって、
「あ…」
とほんの少し顔を赤く染めた。
わたしも赤くなりそう。
返事なんて言いにくくて本当に。
ぜひ付き合ってなんてあーもー!!やだやだ。
わたしはうつむきながら言った。
「STのあと、話したいことあるから」
後野はうんと頷く。と、すぐに、男友達に呼ばれて行ってしまった。
少し寂しい。こっちは勇気出して言ったのに、「あ…」だけだよ喋ってくれたの。
それでも、返事気になってるだろうし、わたしも頑張らなくちゃね。
__美少女の名にかけて。


調子乗りました。えへ。
さてさて、放課後になりました。
わたしはそっと後野を見た。
「後野。」
近くまで行ってそっと囁いた。
ばれたら男子共にからかわれそうでやだなぁ。
「あ、返事。」
後野は振り返った。
もう、すっごく照れてるのがわかって可愛いなぁ!!と思う麻白天使。
わたしほどではないけど、なんて心の中で突っ込む麻白悪魔。
あぁ、なんか人格変貌しそう。
「どこ行くの」
と彼。わたしは
「あまり考えてないよ」
と言った。我ながら適当なやつだ…。
「じゃあここでいいじゃん?」
「え、聞こえるよ」
「あ、そか」
ははと後野が笑って、じゃあ渡り廊下いこ!と私が言った。
てくてくとわたしは後野のあとを歩いた。
とても大きい背中だなあって思う。
「返事言ってもいいかな」
渡り廊下に着いてから、わたしはそっと上目遣いで言った。
もちろん、上目遣いなのは計算だけどねっ!
「あ、、うん。」
後野はわたしの目を見つめた。
…わたしは恥ずかしくて逸らした。
「よ、よろしくお願いします」
わたしは爪をいじりながら言った。
「ま、まじ?」
「ま、まじだよ」
「ありがとうっ」
後野はめっちゃ笑った。
でも、めっちゃ顔が火照ってた。
「じゃあ、あー、えっと、」
「??」
後野は言う。
「付き合ってください!」
わたしは嬉しくて湿疹してしまいそうで、
でもなんとかたった。そしてニコニコした。
「はい!!ぜひ!」

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