一回戦が終了し、二回戦へと移る。
第一試合は、焦凍と緑谷くん、だった。
マイク「二回戦・第一試合はビッグマッチだ! 1回戦の圧勝で観客を文字通り凍りつかせた男!ヒーロー科、轟焦凍!!」
マイク先生による焦凍の紹介に、会場が湧き立つ。
マイク「vs! 片やこっちはヒヤヒヤでの1回戦突破! 今度はどんな戦いを見せてくれるのか! ヒーロー科、緑谷出久!!」
緑谷くんはさっき、心操くんと戦った。
そして勝利して、二回戦へと出場している。
横目で心操くんを見ると、なんだか複雑な顔をしていた。
あなた「やっぱり、緑谷くんに勝ち上がってほしい?」
心操「・・・勝って欲しい気持ちと、あなたの兄貴に負けて欲しくない気持ちが混ざり合ってる」
あなた「あはは、焦凍の応援は他にいるから、心操くんの心のままで大丈夫だよ」
他、とは、もちろんエンデヴァーのことだ。
焦凍は絶対嫌だと思うけど、私に応援されるより幾分かマシだろう。
心操「あなたは、やっぱお兄さんの応援?」
あなた「・・・私がしちゃあ、焦凍が嫌がるから、しない」
あ、ほら始まるよ。と言えば、心操くんは何か言いたげだったけれど諦めて前を向いた。
焦凍なら、まず氷結を放つだろう。
だから、緑谷くんがすることは____
緑谷「SMASH!!!」
放たれた氷が砕ける音がし、風が巻き起こる。
あなた「自損覚悟の打ち消し・・・!?」
焦凍が氷を放つ度にそうしてたら、全指が使えなくなるのに____
マイク「また破った!!」
緑谷くんの表情から分かる、あれには尋常じゃない痛さが伴っているはず。
でももし
“右を使う上では、必ず左が必要になる”
ということに緑谷くんが気づいたとしたら。
この勝負の行末は、分からなくなってくるだろう。
1ヶ月以上ぶりの更新ですみません!
ほんともう、英検やら模試やらなんやらで忙しくて・・・
次回はなるべく早く投稿します。
これからもあなたたちをよろしくお願いします!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!