第25話

慣れた言葉・慣れない言葉
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2023/12/23 02:00

『へぇ~! 心操くんの個性って洗脳なの!?』



『マジ!? すげぇ、初めて聞いた!』



『うらやまし〜』



『悪ィことし放題じゃんか!』



『私ら操ったりしないでよ〜?』





心操『ははっ、みんな、そう言うよ』





昔に言われた、そんな言葉。




そりゃ、俺も他人が持ってたらまず悪用を思いつく。




犯罪者、ヴィラン向きだねって間接的に言われるのは、もう慣れた。








そういう世の中、仕方のないこと






でも、君は




『すごいじゃん。救助活動やヴィラン逮捕に大きく貢献出来る個性だし』







『私、お世辞は得意じゃないし・・・すごいと思ったことは、素直に言うよ』






滅多に誰かを褒めたりしない、滅多に笑顔を見せない君が、そう言って少し、笑ったから。




心操「・・・そっか、ありがとう」




俺も、君の笑顔と同じくらいの自信が持てたんだ。





だから、勝って、『ありがとう、君のお陰だよ』って、言いたかったんだ。









緑谷「心操くんは、何でヒーローに」




心操「・・・憧れちまったもんは仕方ないだろ」





そんな憧れなんて、きっと叶わな____





「かっこよかったぞ、心操!」




上から聞こえて来た、そんな言葉。





言われ慣れてなんて、いない。





「正直ビビったよ!」




「俺ら普通科の星だな!」




「障害物競走1位の奴と良い勝負してんじゃねーよ!」


それだけじゃない。




プロヒーローたちからの、俺への言葉とは思えない言葉の数々。




「聞こえるか? 心操。おまえすげぇぞ!」





_____俺は、友人に恵まれたのかもしれない。





「ほら、あんたも言いなよ!」




「ずっと何か言いたげにしてんのわかってんだからね!」





まだ、慣れない言葉を言ってくれるんだろうか?





ぐいっ、と前に押し出されたのは、今一番お礼を言いたい相手で。





あなた「____っ心操くん!」




ぎゅっと瞑っていた目が大きく開かれ、目線が交わる。









あなた「かっこよかったよ!」







_____本当、君って奴はどれだけ俺を。




心操「・・・結果によっちゃ、ヒーロー科編入も検討してもらえる。覚えとけよ! 今回は駄目だったとしても絶対諦めない!」




ヒーロー科入って資格取得して、絶対お前らより立派にヒーローやってやる!





そうハッキリ言えば、緑谷は声に出して頷いた。




心操「フツー構えるんだどな、俺と話す人は。そんなんじゃすぐ足を掬われるぞ。











せめて、みっともない負け方はしないでくれ」










俺の中での体育祭が、静かに終わった。



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