怪談「ファンション・モンカール」
アメリカに現れたという怪異。
ファンション・モンカールは小人症の女性で、
自分の年齢を偽り、少女として振舞いながら後見人と見せかけた共犯者の女性とともに窃盗を繰り返していた。
その方法はファンションが常に持ち歩いている中国人形のねじ込み式の頭を外し、人形の中に宝石を入れてアメリカに持ち帰るというものだった。
しかしそんな生活は、ファンションがマグダ・ハミルトンという女性と一人の男性を取り合ったことで終わりを告げる
マグダがファンションのことを警察に密告したことでその悪事が露見。
ファンションは捕まって終身刑に処せられたのだ。
マグダはそれによって意中の男性を射止めたものの、六ヶ月で離婚することとなる。
しかし相手が気前よく離婚条件を飲んだため、その資金を元に投資を行い、
やがてマグダはニューヨークでも有数の資産家となっていた。
そんなある日、マグダの元に刑務所にいるはずのファンションが出現した。
その姿は少女のものではなく、年相応の腰の曲がったしわだらけの老婆であったという。
しかしファンションが現れたのは、彼女が独房で首を吊って死んだ一週間後のことであった。
それを知ったマグダはファンションの亡霊から逃れるため、ヨーロッパ行きの船を予約した。
だが彼女がその船に乗ることはなかった。
マグダは船出の前日、死体となってベッドの上に横たわることとなったのだ。
その死体は両目が飛び出し、口の両端には流れ出た血が乾いてこびりついていた。
死因は自分の血を喉に詰まらせての窒息死で、喉の粘膜は何か大きなものをねじ込まれたように大きく裂けていた。
そして奇妙なことに、その粘膜には数本の頭髪のようなものが残っていた。
その頭髪は、子ども用の中国人形の頭髪に使われていた。
そう、ファンションがいつも持ち歩いていた、あの中国人形の頭髪と同じものだったのだ。
天使の像
父と母は、たまには夜の街で羽根を伸ばそうと、信頼できるベビーシッターに子供の世話を頼むことにした。
ベビーシッターが到着した時、すでに2人の子供はベッドで熟睡中。
しばらくすると、ベビーシッターは暇を持て余した。
子供が寝ている1階にはテレビがないため、何もすることがなく退屈で仕方なかった。
そこで、子供たちの父親の携帯に連絡して「子供たちは寝ているからテレビを見に2階へ行ってもいいですか?」とたずねた。
父親がテレビを見ることを許可すると「あと、もう一つよろしいですか?」と、ベビーシッターは質問した。
「子供部屋の窓から見える、庭の天使の像にブランケットをかけて隠してもいいですか?とても気味が悪いので…」
電話口の父親はしばらく沈黙した後に、こう告げた。
「すぐに警察へ連絡するから子供を連れて家から逃げてくれ!!うちに天使の像なんて無いんだ!!」
父親の通報から3分以内に駆けつけた警察は、ベビーシッターと2人の子供を血溜まりの中で発見した。
そして、どこを探しても天使の像は発見されなかった...
オーブンの女
1983年の夏…
ミネソタ州ミネアポリスの近くにある静かな田舎街でのこと。
小さな農場のオーブンから女性の焼死体が発見された。
現場となった農家のキッチンには、三脚で立てられたビデオカメラが残されていた。
しかし、カメラの中にはテープが無くからっぽ。
当初、警察は殺人事件として捜査を進めていたが、後に、農場の井戸からビデオテープが発見され、捜査員は頭を抱える。
回収されたテープは状態こそ悪かったが、音声無しで映像だけは再生することが出来た。
そこには、遺体の発見されたキッチンでオーブンの前に立つ女性が映っていた。
女性はオーブンを開けると、何を思ったか自分から中へ入ってしまい、中からオーブンを閉じてしまった。
映像は続く…
8分後、オーブンが激しく揺れ、次第に黒い煙がキッチンへ充満していく…
その後、映像はカメラのバッテリーが切れて45分後に終了した。
警察は周辺住民の混乱を避けるため、テープを発見したこともショッキングな映像の内容についても公開しなかった。
この事件について警察が頭を抱えた。
そして最大の疑問は、ビデオに映っていた女性と、発見された遺体の身長が全く違っていたこと…
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。