あなたはなんだか気分が良かった。
自分で理由はわかっている。
それは、食事の事だ。
あなたの家での食生活の事は普通では無いことは、
子供の頃、学校の給食でわかった。
みんなと同じものが食べれなかった悲しい記憶。
おかしいと友達にいじめられた記憶。
それは、小、中、高と上がる度、起きたことだ。
高校ではいじめられると言うより、
変わった子と、浮いた存在になっていた。
だから、大学ではダイエットと言って
誤魔化してやり過ごしていた。
だけど、これから少なからず彼らと過ごすには、
話さない訳にいかないと思い、
本当の事を伝えた。
でも、彼らはビックリはしていたが、
好奇な目を向けるような事はしなかった。
と言うより、テヒョンが言った、
『 変じゃないよ!
なんか、凄いストイックな家族だね。
だから、お兄さんモデルさんだし、
あなたもスタイル良いもんね。
さぁ、みんな食べよう!
いただきます!!! 』
あの一言で、あの空気が一変した。
普通じゃない四次元テヒョンに助けられた気がした。
あなたは部屋にシューズを取りに行って、
練習室に向かう。
あなたはうざったい前髪をかきあげ、
メガネとコンタクトを外し、
色素の薄いグレーの瞳をさらす。
好きな曲をスピーカーに繋げ夢中で踊る。
気づけば2時間が立っていた。
あなたは練習室をそっと出て、
バスルームに向かい、シャワーだけ浴びて、
こっそり部屋に戻った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!