第34話

可愛すぎる生物
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2024/06/27 15:00
「ロウ!ごめん待った?」




振り返れば




走ってきたのか少し息が切れているあなた




「いや、俺も今来たし」




やばい、破壊力が半端じゃないぞ…?




とにかくかわいい三つ編みの髪




照れ隠しのようにぶっきらぼうになってしまうが




それすらもあなたはお見通しだ




「ふーん?




 そっかロウきゅんあなたが可愛すぎて




 ツンツンだねぇ…?」




「いや別にそんなんじゃないし…」




やっぱり、あなたにはお見通しで




いやでも可愛すぎるのが悪い




「…ほら、早く行くぞ…」




「はいは〜い」




歩く速度はいつもよりもゆっくり




でも駅まで着いてしまうのは早い




「ふふ、いつぶりだろ〜ね、こんなの」




「いつかの任務ぶりじゃねぇ?」




「あれかw暗殺者だと思われたやつ」




「あーあなたもヤンキーだと思われてたあれか」




「…何年前?」




「多分1年ちょい?」




駅に着いて電車を待っていても




久しぶりだからか途切れることのない会話




【まもなく電車が参ります…】




「おー電車久しぶりすぎる!」




「…この時間人やばいんじゃね?」




「え私たち終わったじゃん」




あなたの言う私たち=陰キャ(俺)+チビあなた




満員電車には最悪のコンビ




「わ、人多くない…?」




案の定電車はぎゅうぎゅうで




背の低いあなたは押されてどこかへ行きそうに




「ちょあなたごめんな…」




「ん?…?!」




流石にはぐれたら危ないから…




なんて言い訳を心の中で唱えて




あなたを壁ドンするのような体制になる




「…ちょほんとさ…」




珍しく頬を赤らめているあなた。




もっと揶揄いたくなってきて




電車が大きく揺れたのをいいことに




あなたをぎゅっと抱きしめた




「わっ…」




困惑し、恥ずかしそうにする





腕の中の可愛い生物




「ロウ…」




「あ、ごめんな」




ゆっくりと腕を離せば茹でだこのような顔




これは事故……と言い聞かせているのがあまりにも




可愛すぎた

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