朝起きて、カーテンを開けてため息をつく
「はぁ…なんでこうなるの…」
ザァザァと降る雨
私は雨女のようだ
「こんなんじゃ星、見えないじゃん…」
せっかくロウが誘ってくれたデートなのに
悲しすぎる
プラネタリウム行ってる間に止むといいんだけど
憂鬱な気分のまま顔を洗いに行くと
たまたまいた星導と鉢合わせた
「…ひどい顔ですね。今日デートなんでしょう?」
「星見るのに、雨…」
「あなた、いいこと教えてあげますね。
星って雨上がりの方が綺麗に見えるんですよ?」
「まじ?!ありがとう星導!!」
前言撤回、雨女悪くないかも
私の髪の毛は湿気には強いので
どうにかなる
偏頭痛はどちらも持っていないので
夜止むことを祈るばかり
今日は気分的に白がいいので
シャツワンピを着る
この前のやつはゴスロリチックだったけど
こっちも似合うこのお顔は最強!!
ロウとデート…
実感湧かなすぎてにやけが止まりません
メイクがいつも以上にうまくいってる
半端ないなロウパワー
実際2人で出かけるのは1年前の任務以来で
懐かしいなあの頃は
2人とも必死で
私はヤンキーに間違えられて
ロウは殺し屋だと思われて…
結局それで乗り切ったんだっけ?
思い出は膨らむばかり
今日のこのことも思い出の1ページに刻まれる
そう思うとちょっと嬉しくなった
100歳越えのお爺ちゃんの初デートは
私だよ〜!!!ってみんなに言ってやりたい
世界一かっこいい私の好きな人の隣に立てる
私は幸せです
ロウはどんな服着るのかな
やばい楽しみすぎる…
やっと準備は終わって
雨にも関わらず足取り軽やかに駆け出した
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。