青い海、白い雲、照りつける太陽はギラギラと輝き、
勢いよく吹き抜ける潮風が目に染みる。
空と海との境界線なんて分からなくて、ただひたすらに走り出したくなってしまう。そんな気分。
みんなは暑い暑い、なんて言ってもうバテ始めているけれど、俺のワクワクは最高潮だ。
胸いっぱいに吸い込んだしょっぱい空気を思いっきり吐き出して、それと同時に俺は天を仰ぐ。
目についたものにとりあえず走り出そうとしているみことをなつが捕まえている。
こうしてみると母と子のようだな、なんて、
なつに知られたらボコボコにされそうだ。
そう早口で言い切ったいるまがダッシュする。
⋯⋯あ!着替え室にはエアコンついてるからってこと!?
あいつズルくない?!
遅れて意図に気づいた俺たちも慌てて着替え室に走り、余計に汗をかいたのは余談だ。
そうしてささっとパラソルを建てた俺たちは、
いるすちこさは完全にバテていたから来なかったが、
俺となつとみことの三人で水をかけ合ったりビーチバレーしたりして、海を楽しんだ。
テーブルにドンッ!と置かれたのはリュックサック。
今朝集合した時からいるまが背負っていたものだ。
めちゃくちゃパンパンに膨れていて、
全員何が入っているのかと気になっていた。
でも、聞かれてもずっといるまは返答を濁していた。
⋯⋯⋯いやまぁ、俺は中身知ってるんだけど。
そのリュックが出てきたのだから皆驚いた顔をする。
楽しそうな掛け声でいるまがリュックを開ける。
そこにあったのは⋯⋯
⋯あ、そういや、すちって自認スイカだったな。
無い無い、と半笑いで言ういるまの言葉が本当か、
俺たちには分からないが、多分いるまのことだし
悪意はないけどイジってはいるだろうなと思う。
急に電話かかってきてなんだと思ったら
甘いスイカの見分け方聞かれた時の俺の気持ちよ⋯⋯
確かに大きいのが良いと言ったのは俺だけど、
まさかそんなに大きいのが売ってるとは知らなかったし
流石に負担なく運べるサイズを選ぶと思っていたんだ。
だからこれは俺のせいでは……ないよね?
俺の声に反応して、目隠しを着け、棒を持ったみことはへっぴり腰で歩き出す。
⋯⋯全く見当違いな方向へ。
こさめの助言通り、その場で回れ右をしたみことは足を踏み出す。
ただ、みことにとって誤算だったのは、180°回転したつもりで、90°しか回転していないのに気付かなかったことだろう。
バッチャーン!!
心底楽しそうないるまの声がする。
うーん、悪魔かな?
目の見えない状態で海に入ったせいで
しっかり波に足を取られ、すっ転んだみことの、
悲しい叫び声がこだました。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!