第2話

第二話「あなたは誰?」
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2025/09/02 04:23 更新
暮崎彰人
暮崎彰人
えっと…だ、れ…?
夢無泉
夢無泉
わたしはね、いずみだよ!
暮崎彰人
暮崎彰人
泉ちゃん…
ふと、あたりを見渡す
日は落ちて、あたりが暗くなっている
おそらく、22:00は超えてるだろう
暮崎彰人
暮崎彰人
なんで…外に…?
そろそろ、帰らないと危険だよ
夢無泉
夢無泉
えっとね…おかーさんに
おいだされちゃって
暮崎彰人
暮崎彰人
追い出され…!?
おそらくまだ
小3くらいだろう…
夢無泉
夢無泉
うん、えっとね
しろいはだがきしょくわるい…?
っていわれてね
暮崎彰人
暮崎彰人
そう…だったのか
夢無泉
夢無泉
おねーさんは?
暮崎彰人
暮崎彰人
わたし…も
母親と色々あって…
夢無泉
夢無泉
そっかぁ〜
夢無泉
夢無泉
おねーさん、おなまえはー?
暮崎彰人
暮崎彰人
あきt……
夢無泉
夢無泉
あきおねーさん?
暮崎彰人
暮崎彰人
えっと…うん
夢無泉
夢無泉
そっかー!
あきおねーさんよろしくねー!
暮崎彰人
暮崎彰人
よろしく…
夢無泉
夢無泉
あ!そうだ!
泉と名乗る少女は
私の手を引き、走り出す
暮崎彰人
暮崎彰人
ちょっ、何?!


連れてこられたのは
公園だった
暮崎彰人
暮崎彰人
こ、公園…?
夢無泉
夢無泉
ここにさ”いつも“ごはんをくれる
やさしいおねーさんがいるんだー!
暮崎彰人
暮崎彰人
そう、なんだ…
そんな話をしてると
20代後半ぐらいの女性が歩いてきた
お姉さん
あら、泉ちゃんと…
夢無泉
夢無泉
あきおねーさんだよ!!
暮崎彰人
暮崎彰人
ど…うも
お姉さん
…泉ちゃんが懐いてるってことは
いい人なのね
あきさん、泉ちゃんをよろしくね
暮崎彰人
暮崎彰人
あ…いえそんな
さっき、チラッとこっちを見て
少し考えるような仕草をしていた……
やっぱり私が「お姉さん」って呼ばれるのは
おかしいのかな…
暮崎彰人
暮崎彰人
えっと、泉ちゃんの…家族…?
お姉さん
ううん、私はただ
たまたま出会っただけよ
夢無泉
夢無泉
おねーさん、たまたまであっただけなのに
すっっごいしんせつにしてくれるんだー!!
暮崎彰人
暮崎彰人
そ…っか
よかったね…
夢無泉
夢無泉
あきおねーさん、げんきない?
暮崎彰人
暮崎彰人
えっ、いやそんなこと…
お姉さん
…はいどうぞ
(二人にパンを差し出す)
暮崎彰人
暮崎彰人
い、いやわるい…ですよ
お姉さん
いいのよ
きっと、家に帰れないのでしょ?
なら大人としてこれくらいはさせてちょうだい
そう言って
目の前のお姉さんは私に対して微笑む
ああ、私もこんな綺麗な女性になりたいなぁ…
暮崎彰人
暮崎彰人
あの…ありがとうございます……!
夢無泉
夢無泉
おねーさんありがとう!
パンを受け取り、一口食べる
暮崎彰人
暮崎彰人
…あ……
久しぶりの、優しさで満ちた味がした
暮崎彰人
暮崎彰人
…う…(涙)
夢無泉
夢無泉
あきおねーさんだいじょうぶ…?
暮崎彰人
暮崎彰人
ああ…大丈夫……だよ…
必死に止めようと
袖で涙を拭う
けれど、涙は次から次へと
重力に従って落ちていく
暮崎彰人
暮崎彰人
な、なんでだろ…ね
泉ちゃんが、心配そうにこちらを眺めている
お姉さん
必死に今まで、頑張ってきたのでしょう?
暮崎彰人
暮崎彰人
え…?
お姉さん
きっと我慢してた分が
溢れてきてるんだろうね…
お姉さん
大丈夫よ
ここはあまり人が通らないから
いっぱいできるだけ泣いちゃっても
暮崎彰人
暮崎彰人
その…ぅぁ…あり…がとう…ございます……
暮崎彰人
暮崎彰人
ごめ…んなさい……
お姉さん
大丈夫よ
事情はわからないけれど…そばに居るわよ
ボロボロと涙を溢し
食べたしょっぱくも優しい味のパンは、
今まで食べてきた中で世界一美味しいパンだった

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