ふと、あたりを見渡す
日は落ちて、あたりが暗くなっている
おそらく、22:00は超えてるだろう
おそらくまだ
小3くらいだろう…
泉と名乗る少女は
私の手を引き、走り出す
連れてこられたのは
公園だった
そんな話をしてると
20代後半ぐらいの女性が歩いてきた
さっき、チラッとこっちを見て
少し考えるような仕草をしていた……
やっぱり私が「お姉さん」って呼ばれるのは
おかしいのかな…
そう言って
目の前のお姉さんは私に対して微笑む
ああ、私もこんな綺麗な女性になりたいなぁ…
パンを受け取り、一口食べる
久しぶりの、優しさで満ちた味がした
必死に止めようと
袖で涙を拭う
けれど、涙は次から次へと
重力に従って落ちていく
泉ちゃんが、心配そうにこちらを眺めている
ボロボロと涙を溢し
食べたしょっぱくも優しい味のパンは、
今まで食べてきた中で世界一美味しいパンだった














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!