( ローレン side
少し湿っていて生暖かい日のことだった。
その日は、朝からあなたを見なかった。
いつも通りだと思っていた。
何も起こるはずが無いと、
それよりも自分の事を優先するべきだ、と。
いつも通りの日常だった。
仕事をして、鍛錬をして、ご飯を食べて、
明日の予定を確認してから寝る。
あなたが騒いでいた。夜だと言うのに
でも、胸騒ぎがした。何かあったのでは?と。
あなたが、知らない男に
連れ去られそうになっていた。
必死に手を伸ばした。
あなたなら、掴んでくれると思ったから。
でも、あなたは俺じゃなくて、
白髪の男の手を掴んだ。
それでも夜はまだ終わらない。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!