第28話

合流
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2025/10/23 11:00 更新
冬弥
はぁ…ッ、はぁッ…
冬弥は誰もいない長く細い廊下をただただ一生懸命に走っていた。
この後に備えてなるべく労力を消費しないようにと、今朝から城の外に出ている司と合流するために出口に向かっているのだ。
とはいえ外に出る、とひとくちに言っても、その方法はいくつかある。
城の正門から堂々と出るか、騎士団の訓練場へと続く外廊下から出るか。
もしくは最悪の場合どこかしらの窓から飛び降りるというのも一つの手である。
だがそのいずれの方法もかなりリスクが高い。
正門には常に門番が二人。訓練場には既に裏切りを知っている、新人から熟練者までの騎士達が数え切れないほど。
また、窓というのも最悪の場合であり怪我をする可能性も捨てきれないのでなるべく避けたいところである。
そんな限られた選択肢すら全てリスクに塗りつぶされた冬弥に残された道はただ一つ。
冬弥
…っ着いた…ッ
冬弥
裏口…
そう、冬弥が目指していたのは、この城の中でもごく一部の者にしか知られていない、隠し廊下を抜けた先にある裏口だ。
ここを抜ければ城を囲うフェンスにも邪魔されずに外に出られる。
司とはここから少し歩いた場所で合流なので、方向音痴が発揮されていない限りすぐに合流できるはずだ。
冬弥
冬弥は息を整えて少し警戒しながらドアの取っ手に手をかけた。
冬弥
うっ…!
冬弥は外に出た瞬間に感じた突然の刺激臭に手で口を覆った。
??
おお冬弥!漸く来たか!
冬弥
ぇ…司先輩…?
冬弥
外で合流だと…
ああ、そのつもりだったのだがな
よく考えてみれば、王は裏口の存在を知っているのだから、見張り役くらい立てていると思ったんだ
来てみれば案の定。騎士団に属さない王族護衛のベテラン騎士が3人いたので準備運動にちょうどいいと思って、お前が来る前に終わらせておいたぞ!
そう笑顔で話す司の足元に自分達とは違う騎士の制服を着た者達が血を流して倒れているのを見て、冬弥は少しの恐ろしさを感じた。
この人からしたら、裏切りなど容易いことなのだ。
ただ自分が正しいと思える正義を信じて突き進んでゆく。
そんな司に憧れたというのも騎士になった所以であるので、冬弥は恐ろしさと同時により強い憧れを感じた。
冬弥
そう、ですか…
冬弥
ありがとうございます。おかげで無駄な労力を割かずに済みました
いいんだ。オレも最近は実践訓練があまり出来ていなかったからちょうど良かった
さて、こんなところで話していても何も進まないな
オレ達はオレ達のやるべきことをしよう
冬弥
はい
足元に転がる死体をそのままに2人は歩き出した。
























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