「じゃ、しゅっぱーつ!!」
今日は大樹の車で実家へ行く。
といっても、千葉県なんだけどね。
大樹と色んな事話してるとあっという間についちゃった。
「ただいま~」
「おかえり~!!」
「あ、僕、あなたさんと………」
「あー、はいはい。堅苦しいことはいいから、さっさと上がって?」
本当、お母さんは堅苦しいことが苦手なんだよなぁ。
「大樹?」
「あぁ、お邪魔します。」
「さーさー!何飲む~?」
「麦茶でいいよ。暑いし。」
「それもそうね!」
ふぅ。
久しぶり………ではないな。
お盆も来たし。
「じゃあ、ちょっと仏壇に。」
「あ、俺も行く。」
「あら、そう?」
私たちはお父さんにも報告をして、リビングに戻った。
「じゃあ、そろそろ本題に。」
「あ、そうね。」
「僕、あなたさんとお付き合いさせて頂いてます、真辺大樹と申します。」
「真辺…さん…?」
「はい。」
「…おいくつ?ちょっと若く見えるもんだから…ね?」
「25です。」
はぁ、なると思いました……
「に…にじゅうご?」
「はい。」
「そ、そう………あ、出会ったきっかけは?」
あ………これはまたお母さん、フリーズするね。
「私の編集者だったの。」
「………え?今なんて?」
「だから、私が作家で大樹はその編集者。」
「………そ、そう…」
まあ、そりゃそうか。
「お義父様のこともお聞きしました。」
「そうなのね。」
「必ず幸せにしますので、結婚を認めてもらえないでしょうか?」
「………こんな子でいいならよろしくね。」
え?そんなあっさり………なもんなの?
「あなた、お母さんはあなたを信じてる。
あなたが選んだ人ならきっと大丈夫。幸せになりなさい。」
「………ありがとう、お母さん。」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!