私たちは新幹線を降り、駅を出て、カフェに来た。
少しひと休み。
「今度、お母さんに会いに行こう。」
「あー、そうだね。」
よし、お母さんに聞いてみよう。
『お母さん、今度いつか空いてる?』
『ええ。空いてるわよ。いつでも。どうかした?』
「お母さんはいつでも空いてるらしい。私もだいたい空いてるけど、大樹は?」
「俺は今度の週末ならいいよ。」
「じゃあ、週末ね!」
『お母さん、今度の週末、会ってほしい人がいるの。』
あれ?既読になったのに、返信遅くない?
”プルルル………”
電話……かかってきた。
「もしもし。」
「あなた!?あ、あ、あんた、いつそんな相手ができたの!?」
「え?あ、まあね。で、とにかく今度の週末そっちに行くから。」
「え!ち、ちょっと!」
「大丈夫だから。ね?」
「う、うん。」
「じゃ。」
「じゃ…あね?」
”プツっ”
「いいの?」
「うん!」
うー!!
ついに私も結婚かぁー!!
うふふっ!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。