第34話

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2024/03/06 12:20
???
ねぇ
私を呼ぶ声がする。

つられて振り向くと…
ヒナ
ヒナ
あなた、ラテちゃん?
…え、誰?
ラテ
ラテ
そうですけど…
ヒナ
ヒナ
よかったー!
 私、ヒナ!!ルカ兄の妹!
ラテ
ラテ
あ、ルカさんの妹さん…?
彼女は、ショートカットの髪を揺らしながらにっこりと笑う。
女子の私でも、見とれてしまうような綺麗な顔立ちをしている
ヒナ
ヒナ
うん!!
 ずーーっと、話してみたかったの!
うぱさんの花嫁さん、これからよろしくね!
絵に描いたような元気っ子。

そして、目に入れても痛くない整った顔。
ラテ
ラテ
…うん!
ヒナ
ヒナ
あ!そうだ!
ヒナちゃんは、大きい目をもっと大きくして、笑顔を見せた。
ヒナ
ヒナ
こっち!景色が綺麗だから、来て!
ラテ
ラテ
うわっ!
手を引くヒナちゃん。

めめみたいに強引な子だな…!


しばらく歩くと…
ラテ
ラテ
うわぁ…!!
ついたのは、大きな湖に、回りに広がるお花。

晴天だということもあり、とても綺麗だった。
ヒナ
ヒナ
ここはね、あやかしの力が1つに集まってるの。
ヒナちゃんは、目を細めながら湖を見る。
ヒナ
ヒナ
湖は、水のあやかし
ヒナ
ヒナ
お花は、自然のあやかし
ヒナ
ヒナ
天気は、空のあやかし
ヒナ
ヒナ
湖の中の命は、生命のあやかし
そして…と、くるっとふりむくとはにかむように笑った。
ヒナ
ヒナ
私は、これらを管理するあやかし
ラテ
ラテ
…すごいね
ヒナちゃんは、全てのあやかしの力を、管理しているんだ…!
ヒナ
ヒナ
ね、どうしてこんなに綺麗なんだろ
ラテ
ラテ
そうじゃなくて、あなたが、ヒナちゃんが、すごいなって__
ヒナ
ヒナ
急に連れ出してごめんね!
 うぱさん、起きたんだよね。
  じゃあ、またね!!
私が言う前に、彼女は駆け出してしまった。
ラテ
ラテ
あ…うん
スゥ…と息をすって走っているヒナちゃんの方を向く
ラテ
ラテ
ありがとう!!
そう、辺りに響き渡る声で叫んだ。

ヒナ
ヒナ
!!
走っている彼女は、振り向き、あの可愛らしい笑みを見せながら手を振ってくれた

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