呆然と立ち尽くして少し時間が経ってから
この女性は自分の母親で
この赤黒い液体は血で
床に落ちている刃物で刺されて
生気がないのではなくてもう事切れているということを理解した
僕は大粒の涙を流しながら叫んだ
この状況を受け入れたくない
目を閉じても瞼の裏に張り付いてくる
見えないふりをすることができない
いつもそうだ
現実はいつまでも迫ってくる
消えることなどなく僕が生きている限りずーっと
もう、こんなことなら死んでやる
そう思えたらよかったのに
僕にはそんな勇気もない、クラスメイトにすら奴隷のように扱われている僕が自殺なんてできるわけがない
その日は一晩中ボーッとして一睡もできなかった
もう涙も出なかった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。