カルフォルニアに連れられ、仮眠室にたどり着き、部屋の戸を開ける。
左右を確認してニューヨークを探すと、彼は部屋の右側のベットに腰かけていた。
カルフォルニアが少し驚いた声を上げる。
乾いた笑いをしてからニューヨークは話始めた。
溜息を吐きつつ、カルフォルニアは一歩下がった。
だが、申し訳ないが、二人だけの空間にして欲しい。
そういうとカルフォルニアはそのまま部屋を出て行った。
ニューヨークはポカーンとその状況を見ていた。
暫くしてほんの少しだけ顔がこわばる。
まだ信用しきっていないのか、緊張がほどける様子は無い。
しょうがないとしか言いようがないが。
そのまま消えてしまいそうな謝罪だった。
違う、そんなことを言わせたいわけじゃない
1回、息を吐いてから言う。
___1945年、6月の始め
ドイツにはベルリンにガジェットが、
日本には広島にファットマン。
もしもの時のルーファス
その案は、過半数の賛成で固まっていた。
けれどリトルボーイだけは、京都にするか、それともまた別の都市、小倉にするのか、新潟にするのかで割れている。
それと、投下時期ももうドイツが1か月と日本が2か月後に迫っているというのに、
俺の上司、UKは何だかコソコソしてて、最近見る機会がとても減っている気がする。
何を俺たち四国から隠したいのかは知る由はないから、気にするだけしょうがない気もするが。
それにしたって、最近はアフタヌーンティーも楽しめない、流石に我慢の限界がやってきたところだ…
俺は連合王国の中でも中枢のイングランド国なのだから特別扱いは…流石に…ダメか。
溜息を吐きつつ立ち上がり、仕事から離れるために郵便を確認してみる。
ポストを開くと、スコットからは酒場の催促が、アイルランドは戦後の完全離脱の催促、ウェールズは…
少しその場で封筒を開いてみる、厚みもすごい、紙もまぁまぁある。
これは愚痴だ。俺に送り付けるのはやめてくれ、いくら俺のポストの容量がデカいからって…
これでは息抜きどころか息を詰まらせてしまう、しょうがない、仕事に戻ろう。
今日も呑気に降ってる雨よりも、催促状と愚痴よりも、遥かにましだ。
イタリア戦線は元のイタリア国土をほぼ制圧したらしい、ただまぁ、この戦線がもっと奥に行くかは怪しい所だろう。
ソ連から数日前に届いた資料によれば、元ポーランド領の半分は取り返したらしい。
それでも未だ両者泥沼、ポーランドは丁度ヨーロッパ平原の中央に位置していて、進軍し易いと言うのに、
ドイツにしろソビエトにしろ、一体何をやっているんだ、そう心の中で突っ込みつつ次の資料に目を通す。
核爆弾を落とす為の軍用機の操縦士達、7月初旬には訓練は間に合いそうだ。
一方、投下予定地に関しては、未だに京都に関し皆落とせや落とすなと口論したものが、
形式に無理やり詰めて、議事録として俺のところにやってくる。
早くドイツに核爆弾が落ちないだろうか、そうしたらこんな口論もきっと直ぐ途絶えるはずだ。
ため息を吐きつつ、時には愚痴を言って、資料全部に目を通し終えた。
それらはもちろん機密情報なので、然るべき処分方法を取らなければならない。
なので取り敢えずそれらを紐で縛って、空爆を避ける為仕方がなく本保管庫と化している地下へ運んだ。
そうしたらやっと読書時間。
ヨーロッパ大戦後、本が読みたくて仕方が無くて大量に買い込んだお陰で、
未読の本はこの戦争が終わるまで家にある予測がたっている。
未読本の中から適当に本をとる。
………シリーズの途中の本だ、1巻を探して、それを持って自室に向かう。
むか………
………
無視しても何度でもなった、コンコン、俺の家のドアを叩くヤツが。
本を片手に持ちつつ客人を迎えに行く、溜息吐きつつ戸を開ける。
そんな話をしながら仕方がなく、嫌々、早々とスコットを家に入れた。
スコットが
とかなんとか言っているが、知ったことじゃない。
リビングまで通して、本をテーブルに置き、椅子に座る。
スコットも席に座り、話しかけてくる。
本を開いて文が始まるページを開く。
その間にも、スコットが話しかけてくる。
小説の中で主人公は十字架を切った、日本人が神の名前を片っ端から思い浮かべて祈るように。
主人公の健闘も虚しく、彼の恋人は敵の手に渡り、
そのまま彼女は敵の背後にある焼却炉に突き落とされた。
遺品として、敵は彼女の首にかかっていた魔除けのネックレスを主人公へ投げた。
ただ、ネックレスの意味はもう無い、紐が切られてしまったからだ。
良いところで、いつの間にか近くにいたスコットが本を取り上げられる。
俺に反論する余地は残されておらず、そのままスコットの酒の話に付き合わされた。







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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。