雑談中
そして、KAI君と別れて家に帰る。
________はずだった。
一瞬だけ見えた
暗くて
何も映さない
目が
瞳が
とても気になって。
でも俺は
そう思って、何もしなかった。
スマホを取り出してLINE画面を開く。
ここからLINE画面!
少し迷った末に、俺はこう打ち込んだ。
何かあったかもしれない。
だから、俺はKAI君の家に行くことに決めた。
幸い、KAI君の家にはよく行くので行き方は知っている。
歩いてる暇なんて無い。
全速力で走った。
KAI君に何かあったらもう俺は生きていけない。
だって
だって俺は、
KAI君が好きだから。
男が男に恋をするなんて変かもしれない。
…おかしいかもしれない。
だけど、この気持ちは本物だ。
ずっと走っているから横腹がズキズキと痛んでくる。
けれど足は止めなかった。
早く。
何か、
取り返しのつかないことになる前に。
ずっと走っていたから体が酸素を求めている。
だが足はまだ動いていた。
マンションの6階。
KAI君の部屋の前に着く。
やっと着いた。
そう思いながら、部屋のインターホンを鳴らす。
……が、
何も返って来ない。
だから、次はコンコン、と軽く扉をノックしてみた。
そっと、ドアノブを触ってみる。
「ガチャ」
鍵…開いてる…?
興味半分で中に入ってみる。
どこにいるのかと探してみる。
リビングに入ると、薬のプラスチックがたくさん…ざっと20個程ある。
自傷行為。
オーバードーズ。
OD。
そんな言葉が頭に浮かぶ。
ならば''アレ''もしているのだろうと、したくもない想像が膨らんでいく。
ここから🔥(KAITO)視点
怖い。
強盗?
空き巣だと思って来たのか?
足音が、俺のいる寝室にちかずいてくる。
…あれ?
隠れないと。
バレたら、
嫌われる………ッ!
大丈夫…バレない…
……バレ…ません……よう…に………
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。