第11話

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2021/11/13 08:05 更新















 『 お願いしますよお嬢 !何でもしますから ! ね ! 』







 と言うと数秒悩んだ末に 、







 「 キスして 。 」







 そう言った 。

 見たこともないくらい大人びた表情で 。







 『 っ … 、さすがにお嬢には出来ません 。』

 「 なんでよ 、なんでもするって言ったじゃない 。 」

 『 いや 、それとこれとは訳が違いますやん ! 』

 「 ほら 、早く ! お父様に怒られちゃうわよ 。」







 どうにでもなれとお嬢の唇にひとつキスを落とした 。

 最初で最後のお嬢とのキスは甘酸っぱかった 。

 ファーストキスでも無いのに 。







 『 満足されましたか ? 』

 「 っ … ん 。 」

 『 ふは 、可愛いですね 笑 』

 「 うるさい深田 。 」







 やっぱりお嬢は笑顔が似合う 。

 ほんとにお嬢の笑顔は不思議なんだ 。

 どんなに嫌なことがあっても 、お父様に怒られた時も 、

 お嬢の笑顔を見るといつも明るくなれるから 。






 もうこの笑顔も見れなくなるのか 。

 そう考えると俺の将来が心配になってきた … 。

 でも頑張らなきゃいけないし 、

 そうしないとお嬢も安心出来ないでしょ ? 笑

 俺だってやれば出来るんだからね !







 「 何ニヤニヤしてるの 、気持ち悪い 。 」

 『 え ! お嬢それは酷すぎません ?! 』

 「 思ったことを言っただけです ー 。 」







 ほんとに最後の別れなのかと疑うほど

 いつもと変わらない光景が繰り広げられている 。

 まあ 、今日でバイバイなんて直接伝えた訳では無いけど

 お嬢もなんとなく分かってるはずだ 。







 俺たちに湿っぽいのなんて似合わないか 。

 ちゃんと笑顔でお別れしよう 。














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