『 お願いしますよお嬢 !何でもしますから ! ね ! 』
と言うと数秒悩んだ末に 、
「 キスして 。 」
そう言った 。
見たこともないくらい大人びた表情で 。
『 っ … 、さすがにお嬢には出来ません 。』
「 なんでよ 、なんでもするって言ったじゃない 。 」
『 いや 、それとこれとは訳が違いますやん ! 』
「 ほら 、早く ! お父様に怒られちゃうわよ 。」
どうにでもなれとお嬢の唇にひとつキスを落とした 。
最初で最後のお嬢とのキスは甘酸っぱかった 。
ファーストキスでも無いのに 。
『 満足されましたか ? 』
「 っ … ん 。 」
『 ふは 、可愛いですね 笑 』
「 うるさい深田 。 」
やっぱりお嬢は笑顔が似合う 。
ほんとにお嬢の笑顔は不思議なんだ 。
どんなに嫌なことがあっても 、お父様に怒られた時も 、
お嬢の笑顔を見るといつも明るくなれるから 。
もうこの笑顔も見れなくなるのか 。
そう考えると俺の将来が心配になってきた … 。
でも頑張らなきゃいけないし 、
そうしないとお嬢も安心出来ないでしょ ? 笑
俺だってやれば出来るんだからね !
「 何ニヤニヤしてるの 、気持ち悪い 。 」
『 え ! お嬢それは酷すぎません ?! 』
「 思ったことを言っただけです ー 。 」
ほんとに最後の別れなのかと疑うほど
いつもと変わらない光景が繰り広げられている 。
まあ 、今日でバイバイなんて直接伝えた訳では無いけど
お嬢もなんとなく分かってるはずだ 。
俺たちに湿っぽいのなんて似合わないか 。
ちゃんと笑顔でお別れしよう 。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。