第7話

  ・  
91
2021/10/31 03:39 更新















 「 どこに行くつもり? 」







 なんて少し怒った様子のお嬢 。

 その理由は俺なんだけどね 。






 今どんな状況かって言うと 、

 行き先も告げずお嬢を車に乗せて高速道路を走行中 。

 こんなことするなんて初めてだから

 お嬢も少し俺を警戒しているように見える 。

 でも行き先を教える気は無いから 、

 聞こえないふりをしてアクセルを踏み込んだ 。






 真夜中なのもあってこの車に流れているのは 、

 風の音という名のBGMのみ 。

 その風でたなびくお嬢の長く美しい髪が俺を妖しく誘う 。

 それはまるで夜がかけた魔法のよう 。



 _______どうか今だけは解けないで 。







 「 え 、ここって … 」








 たどり着いたのはとある公園 。

 でもただの公園なんかじゃなくて 、

 俺たちの思い出が詰まっている大切な公園だ 。







 そう 、" 俺たちが出会った場所 " 。






 その頃はまだ一般人だった俺が公園に遊びに行った時 、

 1人で泣いていたお嬢に俺は声をかけたんだ 。

 それと同時に俺の初恋も奪われた 。

 おそらく一目惚れだろう 。

 泣いてるお嬢から目が離せなかった 。

 悲しげな表情を浮かべ涙を流す君がどこか儚かったから 。

 そして何故か俺がこの子を守らなきゃって

 幼いながらに思ったんだ 。






 今思えば 、この時から俺たちの時計の針は

 動き出していたのかもしれない 。














プリ小説オーディオドラマ