京介はいなかったけど
今日もいつもみたいに大勢で下校した
家に着いても京介のことが気がかりで
何をするにも身が入らなかった
今日教えてもらったところ練習しようと思ってたのに
別に喧嘩した訳でもないし
私が怒らせるようなことした訳でもない
確かに帰りは京介がどっか行ったから
一緒じゃなかったけど
朝一緒に学校来たし、昼も一緒に食べたし
一緒に練習はしなかったけど同じ空間にいたし
あれ?
昨日の夜だって歌の練習してたし、
ダンスに関しては2人ともやったことのないし
頑張って得意な人に聞いておいたら
2人で練習する時もやりやすくなるかなとか
お兄ちゃんに後押しされて
私は京介に今から行くと連絡を入れて
京介の家へと向かった
既読も全然つかないし
何も言わないでおかしな態度をとる京介にムカついて
インターホンも押さずに京介の部屋へと入っていった
私が部屋を開けた瞬間に
京介が何かを隠したのが見えた
最近、京介が何を考えてるのか
本当に分からなくなってる
ちょっと前まで当たり前のように
なんでも言い合ってさ
こんな理由の分からない喧嘩なんてなかったのに
彼女になれないなら友達でもいいから
京介にとって少しでも特別になって
ずっとそばにいれたらって
そうやって考えるように頑張ってたのに
私は京介にとってどんな存在なんだろう
なんか悔しくて、悲しくて
泣きたくなんかないのに
涙が出てきた
京介はさっきまでと違って優しい声で
ごめんとだけ私の頭を撫でながら言ってきた
だからなんで優しくするの?
私のこと頼ってくれないくせに
なんも話してくれないくせに
好きじゃないくせに
京介はずっとそう
なんでこんな勘違いさせるようなことばっかり
私は京介から離れて京介の部屋を飛び出した
京介が慌てて私を呼び止めようとするのだって
嬉しくなっちゃう自分が嫌だ
今はもう振り返らずに家へと戻った
悪いのは京介じゃないんだよ
京介の優しさを私がダメな方に捉えちゃうから
ごめん京介、
今は私京介から離れないと...











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!