第2話

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2024/09/24 10:10 更新

来未ちゃんの名前は、素敵だ。


なにせ、来る未来、である。


幼い時の私は、漢字などわかるはずもなく、ずっと植物の「くるみ」なのだと思っていた。


来未ちゃんのお母さん、お父さんは、来未ちゃんの幸せな将来を願ってこの名前をつけたに違いない。


だけど、あの子は果たさなかった。いや、果たせなかったのか。

くるみ
ななちゃん、ななちゃん!!


そうあの子が私を呼んでくれるたびに、嬉しかった。

くるみ
あはははっ!!


キラキラ光るような、でも優しい笑顔。

奈菜
来未、ちゃん、、


その名前を口に出すたびに、息苦しくなる。


こんなに苦しいのに、


何度もあの子がまた笑顔を見せてくれることを願っているのに、


あの声を聞かせてほしいと強く思っているのに、



神様はなんて薄情なんだろう。


くるみ
ななちゃん、かみさまにおねがいしたら、きっとまたあえるよね。


そう、あの子は言っていたのに。


あの子は貴方をずっと信じていたのに。


なんでですか。なんであの子の使命を果たさせてあげなかったのですか。


貴方が本当に救うべきなのは、来未ちゃんのような人ではないのですか。


神様。私は貴方のことなんて一生信じない。


あの子を救えない貴方は、ただ名乗るだけの神だ。




目を閉じると、蘇る思い出があった。
あれは卒園式のことだった。
なな
くるみちゃん、またあおうね
くるみ
うん、、ななちゃん、約束だよ。
なな
うん、ぜったいね。
私は感情をなかなか表さない性格だ。


卒園のとき、これでみんなとしばらく会えなくなる、という時になっても、涙は出て来なかった。


だが、決して悲しくなかったわけではない。


本当は周りの子たちがそうしているように、泣きたい気分だった。


でも、私は来未ちゃんにまた会えればそれで良かった。


来未ちゃんとはこれで終わるような気がしなかったから。


でも来未ちゃんは違った。
くるみ
みんなにもうあえなくなるんだよね、、

そう言って泣き出したのだ。


来未ちゃんは私とは反対に、感情がすぐに表に出る。


そんな所がみんなに好かれたのだろう、いつも
来未ちゃんの周りはキラキラした子でいっぱいだった。

来未の母
あの、、奈菜ちゃんのお母さま、
できれば卒園しても、また会いませんか?
奈菜の母
もちろんですよ!
奈菜もきっと喜びます!
来未の母
来未、また奈菜ちゃんには会えるって。
良かったね。
くるみ
じゃあ、これがおわかれじゃないの?!
ならいいや!


そういって来未ちゃんはニカッと笑った。

くるみ
じゃあまたね、ななちゃん!
げんきにいてね!
なな
うん、もちろんだよ!
くるみちゃんこそ、げんきでねー!!


これが私たちの交わした最後の会話だなんて。


これが、私が見たあの子の最後の笑顔だなんて。


また会えるなんて、嘘だ。

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