第3話

一枚目 二月の二九日 六時間目
12
2025/03/02 15:39 更新
小柳 [はぁーッ…自分の体力がこんなにも衰えてるとは思わなかった。]
小柳さんは図書室の机に顔を着け、少しだけ笑っている。
美春 [小柳さんって妹さん居るんだよね?確か。]
小柳 [そうそう。昔は良くおんぶしてたからいけるかなって。
    まぁいける訳無いか。]
妹?私が知らない情報だ。
小柳 [そうそう、小柳美琴って言えば分かる?]
あぁ、三年の小柳美琴ちゃん。賞状を凄い取ってる子だ
小柳 [家でもほぼ喋んないから兄弟って思われてんのか分かんないけどね。
   まぁきっとこんな、誉れにもならない兄…姉なんかと喋ってたら、色々言われちゃう
   しね。 ]
色々事情のあるご家庭なのかな。そんなことを考えながら私は本を探していた。
小柳さんや美春は先生が居ないからってのんびりしているようだ。
美春 […ふーん、…。w…私今の話聞いて小柳さんを友達にするって決めた!!]
私の本を取る手が止まった。
何がどうしてそうなるの?美春
君の思考回路はどうなっているの?
頭に?が多く回るなか、小柳さんは




爆笑した
小柳 [ゲホッゴホッ、死ぬッまじで無理ッぃ…”]
小柳 [美春委員長面白すぎッ…w]
あまり見ない小柳の表情を崩した顔
そんな顔を見てたら私も笑ってしまった。
[あ、]
彩月 [い?]
[う、…じゃなくてやっと笑った!!]
二人が私に指を指して言う。
指差すのって良くないんだよ
美春 [教室出たらへんから笑ってなかったから…]
小柳 [ねぇ…]
彩月 […別に落ち込んでないし。…あんな奴等に言われたことなんて気にするわけないでし
   ょ、後さっき笑ったのは美春の語彙力が無さすぎるのとタイミングを笑っただけ。]
本当は落ち込んでる。
自分もダサいなんて遠回しに言われて。
美春 [酷くない?!]
小柳 [彩月さん、おもろw…ッ]
でも落ち込んでても笑ってしまう。


それが”友達”なのかもね。
卒業までに気づけて良かった。
本当に。
小柳 [で何で俺と友達になりたいの?俺がちょっと特殊でネタになるから?]
小柳さんはニヒルに笑うと美春の方と私の方をじっと見つめている。何かを定める様に
そんな小柳さんの考えと裏腹に美春の回答は単純だった。
美春 [私は!!!!]
やけにでかい声で。
美春 [クラス全員と、友達になる!!!!!]
…うん知ってた。
小柳さんは今度は爆笑せず、ニコと笑って
小柳 [じゃあ、友達としてよろしく。]
右手をゆっくりと美春の手の方に差し伸べ
美春はその手を受け取った。
小柳 […彩月さんは?]
小柳さんは私に手を”差しのべた”
勿論迷惑なんかじゃない。
彩月 […うんよろしく、お願いします。]
ゆっくりと差し伸べられた手をガシッと掴んだ。
その瞬間、小柳さんは泣き出した。
美春 [大丈夫?]
小柳 [俺さぁっ…こんな奴だから、友達なんか出来たことなくてッ…嬉しくてっ…]
彩月 […小柳さんに友達出来ないの、おかしいくない?]
声に出したけど、本当におかしい。
外見なんか知ったこっちゃ無くて小柳さんは、小柳さんですっごい親切で優しいのに。
皆バカなんじゃないの?こんな人を友達にしないなんてあり得ない。
美春 [そう、回りの環境が悪かったんだよ。]
小柳 […ありがと。]
気づいた頃には小柳さんは泣き止んでいて、
小柳 [俺協力するよ。そのクラス攻略プロジェクト。略してクラ友プロ。]
美春 [現在の友達は…29人中2人。制限時間は後、少し!]
日付分かんないのね。
小柳 [クラ友プロ、勝つぞ!!]
小柳さんが手を大きく挙げ拳を天井へ突き上げると
美春も拳を天井に思いっきり突き上げた。
美春 [美春ぅぅぅっ!!]
そうだ、挙げるの忘れてた。
私はバッと戦旗を挙げるように、拳を天井に挙げた。
私達の手を挙げた影は夕焼けに照らされ心が燃えている心情を現すかのように
燃えていた。

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