─流星side─
大橋くんの賄いを食べ終えた後、大橋くんに警察署まで送ってもらった。夜も遅くて危ないから、待っててくれるらしい。
どうやら、大ちゃんは大人しく車で待機することにしたらしい。大橋くんが呆れてる。
車のドアを閉めて、警察署の方を向くと、緊張して、1回、深く深呼吸した。大丈夫って、自分に言い聞かせて、中に入った。誰に話しかければいいんやろうって、その場で立ってると、「どうされました?」って、警察の人に話しかけられた。
「あ、あの、さっき電話をもらって…」
「お名前を伺っても?」
「大西流星です。だい、、西畑大吾について、確認したいことがあると」
「少しお待ちください」
「はい」
その人は、確認のために一度ここから離れ、次に僕の前に現れたのはまた違う人やった。
「お待たせしました。先程、ご連絡させていただいた者です。大西さんですね?」
「·····はい」
電話の声の人や。
あぁ、また過呼吸になりそう…
胸が苦しくなってくるのを感じて、ゆっくり、息をした。
「どうぞこちらへ」
そう言われ、着いて行くと、小さな部屋に案内された。
「どうぞ」と言われ席に着くと、その人も、机を挟んで正面に座った。
「これは、西畑さんの物で、間違いありませんか?」
「っ、、は、い…」
大ちゃんのスマホ…
「大きく破損していて、復元に時間がかかってしまい、お電話するのが遅くなってしまいました」
「え、、っと」
破損って、、なんで…
警察の人が喋ってるのを要約すると、スマホの待ち受け画面に僕が映っていたこと、頻繁に僕に連絡をしていたことから、親しい仲だと思い、連絡をしてきたらしい。
待ち受け画面に関しては、あとで大ちゃんに雷落とすけど…そうじゃなくて、、今は…
「まず、西畑さんとのご関係を…」
「あ、、えっと、一応、恋人、です…」
男同士やし、変に思われるかもしれない。でも、それ以外言うことがない。そんなことを思ってる僕とは裏腹に、警察の人は、そうですよねと言わんばかりに、普通に話を進めてきた。
「落ち着いて、聞いてください。先日、西畑さんは事故に巻き込まれ亡くなりました」
「っ、はっ、えっ…?」
やだ。聞きたくない。これ以上知りたくないっ。落ち着いて聞け?落ち着けるわけないやろ。
「死因は、車で轢かれたことによる失血死で──」
やだ。やだっ。聞きたくないっ!耳を塞ぎたくて仕方なくて、話を聞きたくないと、体も拒否反応を示していた。
何を聞いても動揺しないようにしてたけど、やっぱり実際に言われると動揺を隠せなくて、泣くでもなく、ただ、放心状態やった。
「──さん、大西さん?」
「っ、は、はい」
「ご遺体の確認をして頂きたいのですが」
「確認…」
俺が、大ちゃんかどうか確認するん?
「·····わ、かりました」
気づけば、勝手にそう言っていた。
次に案内されたのは、遺体安置所で、ドアを開けられるまでは、何も考えられないような虚無に陥っていた。
でも、ドアを開けられて、中に入ってとぼとぼ歩いてくと、見えたのは横になって起きない大ちゃんで、足が止まった。
「はっ、、はっ……大ちゃんっ…?」
大ちゃん…
「嘘やっ、、うそっ……どうせっ、どうせ死体ドッキリなんやろ!?なあっ!」
肩を揺すっても、ビクともしないし、冷たい。
「ゔぅっ、起きてよっ……うぅっ、はぁっ、起きてっ」
怒りじみた声でそう訴えながら、膝から崩れ落ちて、慟哭していた。
遺体が西畑大吾本人であることを確信した警察の人は、泣いてる僕に気遣ってか、何か一言言われて、何かを置いた音がしたあと、ここから出ていった。
しばらく、床に座り込んでたけど、さっきの警察の人が置いてったものが気になって、立ち上がった。そこには、大ちゃんの遺留品?が袋に入って置いてあった。
「·····ん?」
なにこれ…
開けていいんかな…
お財布や大ちゃんが身につけてた帽子などがある中、小さな箱があって、気になって袋を開けた。大ちゃんに勝手にごめんって思いながら箱を開けると、指輪が入っていた。ダイヤモンドが埋め込まれた、すごく高そうな指輪が。ふと、袋を見ると、血で滲んだ小さなカードがあって、手に取った。そこには、
〝Present For You Please stay with me.〟と書いてあった。
「うっ……ゔっ、、なにこれっ」
誰宛か分からへんしって、カードを裏返すと、
Dear Ryusei って書いてあって、アホやって、なんでちゃんと書いてんねんって、呆れ半分、嬉しさ半分で涙が止まらなかった。
「あぁっ、はあっ、ゔぅ〜っ!はっ、ゔぅっ……」











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。