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最近、ある雑誌のプロデューサーが
やたらと絡んでくる。
男性で歳は40後半だった気がする。
今日もその雑誌の撮影で
メンバーみんなで仕事。
今日はメンバーがいるから大丈夫だと思う
私はこの雑誌で連載をやってて
よくそのプロデューサーさんと打ち合わせする
そーゆー仕事は会社でやればいいのに
そのプロデューサーさんはわざわざ
私をカフェに呼ぶ
しかも 「 1人で来て欲しい 」 と。
その帰り、同じ足音がずっとついてきていた
私が止まるとその足音も止まる。
怖くて仕方なかった
怖くて何も考えられなかった
真司郎に相談しなきゃ。
いつかは言わなきゃ。
今日くらいには言っておいた方がいいのかな
私がさっき急に『 ぎゅーして 』とか言ったから
真司郎も心配してるみたいだった
今日の帰りに言おう。
P 「 あなたちゃん 」
『 っ、 』
『 はい 』
平然を装って。
P 「 今日、撮影終わって予定ある? 」
『 あ、今日はメンバーと約束があって。』
咄嗟に嘘をつく。
P 「 そのあとは? 」
P 「 夜だよ、夜 」
P 「 彼氏いないんだし夜は空いてるよね? 」
プロデューサーさんはにやにやしながら
そう言った。
そうだ、
まだメンバー以外に報告してないからだ。
真司郎、、
助けて。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。