こんなことになったのも
全部 あの男のせいだ
かかってきた電話に出ると
こっちが話し出すより先に
ゲンの不満そうな声が飛んでくる
世界復興後 、
各都市代表の調停役として
ゲンは世界中を飛び回っている
文明が戻ってきたと言っても
まだまだ 不安定な国も多い
その均衡が崩れないように
繋いでいくのが 彼の仕事
そして
その隣にいるのが 私だった
…… その言い方はずるい
甘えているようで
本気で困っている みたいな声
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振り向いた瞬間
ルリが駆け寄ってくる
──── 石神村
復興して 周りに建造物が増えても
どこか懐かしい香りが残っている
頻繁に連絡は取っていたし
研究の話も 他愛ない報告も
何度もやり取りしていた
それでも
こうして
同じ場所に立つのは久しぶりだ
……復興前までは
ずーっと 一緒にいたのになぁ
千空が 私の抱えた大荷物をみて
手を差し出した
千空は そのまま
私の返事を待たずに
荷物を軽々と持ち上げた
ルリと千空の声を聞きながら
私は少しだけ気を抜いていた
だから
私に向けられる怪しげな視線に
この時は 全く気づきもしなかった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。