星の光…ぼくは夜に光り輝くときいた、
星を見たことがない。
あの赤と黄色が混ざるとき、
あの空の色の時間になると
ぼくは黒い布に覆われ、みんなと同じ小屋に戻される。
初めはみんな、
黒い布で覆われているのだと思っていた。
でも、やぎたちの話からするに
ぼくだけのようだった。
何故ぼくだけが黒い布で覆われるのか…
この間の出来事と繋がるような気がした。
どうしてぼくは星を見てはいけないのだろう…。
どうしてぼくは星の光に当たってはいけないのだろう。
畑沼さんが松ぼっくりハウスに来た次の日、
ろきは畑沼さんのところに行った。
ろきはお顔もお洋服も、
全部ボロボロになって帰ってきたんだ。
なにがあったかは教えてくれなかったけど、
【安心してね!】と、だけ言って
松ぼっくり茶を入れてくれた。
なんだかいつもより味が感じられなかった。
松ぼっくり茶が悪いんじゃない。
ぼくは心配で心配で、でもろきを困らせたくなかった。
「美味しいよ!」と、いって
ゆっくりと1口ずつ味わうようにのんだ。
ほぐとは、椅子に戻ってから何日もお話が出来ていなかった。
どうやったら人間になってくれるんだろう。
と、いつも考えてしまうからか、
毎晩のようにほぐがぼくの夢の中にでてきていた。
ほぐがぼくを優しく見つめて、
ぼくがほぐを見つめ返すと
心臓が潰れて、そのまま息が出来なくなりそうなほど苦しく、喉の奥が乾いてしまうような不思議な感覚に陥った。
苦しいのに何故だかもう一度感じたい感覚に、
ほぐの美しさに、ぼくは幸せで包まれた。
しかし夢が終わるととても悲しみが襲ってきて
無意識のうちに涙が溢れていた。
そんな時も、ろきは毎朝コトコトと
松ぼっくり茶を入れてくれた。
ほぐに座るぼくは安心感と寂しさが入り交じって
喉の奥が痛むのを感じ、
それを受け入れていいのだろうかと、
ろきに話したら心配するんじゃないか…と、
自分の中に押し殺した。
夢は冷酷だと思った。
夢を見た自分だけが現実でも影響されるのだから。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!