第7話

仲間
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2021/05/29 11:47 更新
主人公とはそういうものだよ。


主人公は仲間に恵まれるものさ。


でもね、勘違いしないでほしい。
めるとくんだけが主人公じゃないんだ。

みんなそれぞれの人生がそれぞれのストーリーであり、そのストーリーの主役なんだよ。


みんな、実は仲間に恵まれている。
その仲間に気づけるか、大切にできるか、 なんだ。


めるとくんと一緒に育ったやぎさん達も、
本来は仲間だ。

しかし、めるとくんを仲間はずれにしたから
彼らは自ら仲間を失った。
そうなると、めるとくんも仲間を失うことになる。


仲間はずれをしたものには、恵まれた仲間はいないんだよ。




ろきは見ているだけで心がほかほかとしてくる、
優しい目と声、口調でぼくに語りかけていた。



「仲間なんて…ぼくいないよ。」

「ぼくは仲間外れしていないのに!」


【酷いことを言わないでおくれ、めるとくん!】

【僕もほぐさんも、めるとくんの家族だよ?】

【言っただろ?仲間外れにした者は、仲間に恵まれないと】



「家族だけど……仲間とは違うでしょ?」



【家族だって仲間さ ^_^ 】

【仲間だと思い合えればの話だけどね!】

【今すぐそう思ってもらうのは難しいだろうけれど、いつか必ず心から仲間だとおもってもらえるよう僕は全力でめるとくんを家族として、仲間として見守っていくよ!】



「ろき……」


ぼくはこんなに想ってもらってもいいのだろうか…
何より、どうしてこんなに想ってくれるんだろう。


本当は、ありがとう って言いたかった。

でも仲間だと思っていた者達に裏切られたばかりで、ろきの言う通り…今のぼくには難しかった。


仲間だと心から思うこと

ありがとう と口に出すこと


怖かった。

嬉しいのに怖い。


また同じことになるんじゃないかって…。



何も言えず、ただただ押し殺した声と涙が溢れるばかりだった。


ろきは少し困ったような、
それでも喜んでいるような不思議な表情でこちらを見て頷いていた。


ぴったり合わせて作られたのではないかと思うほど、ぼくの背丈にちょうどいい椅子に座り、ぼくは願った。


本物の家族、本物の仲間になれますように、と。



ちょうどその時、夕日が座っていてもわかる位置に見えた。


いつの間にか雨は止み、
夕日がろきの瞳にも映り込んでいた。




この時間だ。


お空が赤に近い黄色になって、
真っ白だった雲はスポンジの様に
沢山の色を染み込ませていた。



そうだ。ぼくはいつもこの時間が怖かったんだ。


いつから忘れていたんだろう?


この時間のことを。















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