第80話

🏡 : ありのままをあなたへ
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2026/01/10 09:35 更新

   『どうしよう』『ごめんね』『バレた?』
とかなんとか色んな言葉で頭がいっぱいになる。
   まさか、まさか入浴剤コーナーを曲がってすぐの
冷凍庫の前に遊征くんとるりちゃんがいるなんて!

北見 遊征

   遊征くんは私達の顔を見た途端から何も言わないで
立ち尽くしている。
   それに釣られたみたいに私も黙って、
ロウとるりちゃんだけが「こんにちは」と挨拶を
交わした。

栞葉 るり
   …えっと、奇遇ですね!
あの、おふたりもアイスを買いに?

   るりちゃんはなんだか寂しそうな表情で
私と遊征くんの顔を見てから、そう言った。
   「おふたり"も"」なんて言葉に少し引っかかった
けど、それもすぐに解決した。
   そういえばるりちゃんは私たちのことを知って
いるんだった、し、この同居の事実をずっと、
今も守ろうとしてくれているのだ。

小柳 ロウ
   あ〜…うん、だな。
アイスって急に食べたくなんだよな

   それに乗っかるロウの言葉が、また私たちのことを
くるくると布で包んだ。
   必死に守ろうとしてくれるるりちゃんの声と、
それに合わせて頑張るロウの外行き声を、
何もできないままただひたすらに聞く。
   2人の顔も見ないで立っていたその間は、
カーテンの布をばっと敷いた床に横になって
端を持ったまま転がされているみたいな、
そんな感覚がした。

   そうしてできあがった私を、
今1番嘘が吐きたくない人に、
今1番嘘を吐いてはいけない人に、
   「これがありのままの私だ」とお出しする。

あなた
   (それってなんだか、
いや、結構。とっても。癪だ。)

   言わないでそのままうやむやにしてもいいものを、
遊征くんは「ありのままでいること」を貫いて、
私と正面からぶつかることを選んだ。
   だから私はせっかくの修学旅行前後をあんなにも
悩むことになってしまったのだし、なによりも
今こんなにも気まずい。
   こうなることなんか遊征くんにだって
分かってたろうに、怖かっただろうに、
私に正直な気持ちを言ってくれた。
   それなのに私だけ秘密ばっかで、嘘ばっかで、
このなくなりかけ、切れかけの私たちを結ぶ縁を
ギリギリのまま腫れ物のように扱って終わり?

あなた
   (ロウとるりちゃんありがとう。   
でも、わがままでごめんね。)

   これ以上私たちの友情が壊れたって、
元々そんなのなかったと言われたって、
なんだっていいよ。

あなた
   えっと!!あの、会話の邪魔して   
ごめんなさい…なんだけど、
あのね、遊征くん。

   このまま喧嘩別れしたっていいんだから、だから。

あなた
   私とロウ、
夏から一緒に住んでるの!!

   最後まで、正直で素直なありのままの私で、
遊征くんにぶつかるべきなんじゃないのかな!?


   花瀬さん、Amiaさん、あずきさん
スポットライトありがとうございます💡💖

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