眩しい照明のライト、耳を劈くような歓声
どちらも先程までいた環境と真逆すぎて慣れない
そんな私の気持ちなんてお構いなしに事は始まる
司会の声と共に視線が一気にこちらに向かう
その言葉と共に首輪を引かれ、髪を掴まれる
痛みに声がでかけるが我慢…
ここで言葉を発したら今後が面倒だから
司会は観客の反応に満足し、にやりと笑いながらまた大きな声で仕切り始める
この司会ムカつく…!!
お前みたいなやつが地獄に堕ちろ!!!
司会の掛け声と共に各々が金額を提示していく
どこからそんな金が出てくるんだか…
大金にビビリはするが、最早私には関係ない
だってそのお金は私の手元に来る事はないんだから…
私の第一優先は今後の生活だ
とにかく最低限の暮らしができる事が望み
これ以上願う事はない…
汚い大人のやり取りになんて興味がない
早く終わらないかと意識がボー…と仕掛けた頃
静かにだけどはっきりと声が聞こえた
その声の後、その金額よりまさる掲示ができる人はいないのかコソコソと話す人はいれど先ほどのように値を張る人はいなかった
司会者が一応…という感じで確認を取るも声をあげる人はいない
そしていつの間にこちらに向かっていたのか先程まで離れた場所から聞こえた声が急に近くで聞こえた
先程の声を上げた人は白黒の仮面にフードを深く被った男性だった
そう言いながらその仮面の男は司会者に近づき、耳元に口を寄せ静かに話す
仮面の男が機嫌良さそうな中、司会の顔は青ざめていた
話を終えると仮面の男が手を掴み、そのまま舞台から降り、私の手を引いて会場を出る
その一連の流れに驚きながらも久しぶりに感じる人の暖かさに私は身を任せた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!