キーンコーンカーンコーン…
下校の挨拶が終わり,各自にバラけてゆく生徒たち
新学期,やっと慣れてきた頃だった。
席が丁度前後で,仲良くなったえとだ。
のあは、えとと同中だったらしく、
一緒にいて仲良くなった
はたから見たら,会話の花を咲かせているように
見えるだろう。
でも、私は2人の話に合わせる。
この空気を,仲を壊してはいけないことは知っているから。
痛いほど知っているから。
ピコーン
スマホの通知がなった。
< 七海さん
ごめんだけど今日、碧海お迎え必要みたいで…
教室までお迎え頼めるかな?
最悪だ。
七海さんは、お父さんの再婚相手。
碧海は、私の義理の妹。小学1年生だ。
パチン!と、私は手を合わせる。
その約束…本物なのかな。
私はそのまま小学校に向かう。
“おねぇちゃん” その言葉に違和感を覚える。
話したいことがダムが壊れたように出てきた。
家には七海さんも誰もまだ帰ってきていない。
碧海ちゃんは、リビングに駆け出す。
踏み台を準備して一緒に手を洗う。
ガチャ
七海さんとお父さんが一緒に帰ってきた。
碧人、私の実の父親。
七海さんのことを、まだお母さんとは呼べない。
そのまま部屋に逃げる。
深く息を吸う。
教室や、リビングは空気が薄い。
部屋は私の唯一の逃げ場所。
あなたのXの名前。
空は快晴なのに、なぜ、こんなにも心は曇りなのだろうか。
そんなコメントに、さっき撮った写真を載せて投稿する。
今日も、Twitterで呟く。
辛いことは全てここに吐き出せば我慢できる気がした。
いいねも、コメントもつかない。
フォロワーもフォローも0だから。
コンコン
碧海だ。
これが毎日のルーティンといっても過言ではない。
碧海が駄々をこねた時点で私に選べる答えは1つしかない。
申し訳なさが少しもない。
仕方のないことだけど。
赤くて、丸い。茎のようなものがある絵だった。
めちゃくちゃだ。
ピコン
スマホがなった。
スマホを開くと…
私が投稿したツイートにコメントが来ていた。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。