前回までのあらすじ!!
デルキラ様に悪魔学校の設立を押し付けられたよ!
忙しすぎるよ!!
寝れなーい!
そんなこと言われたって寝れないよー
だって、デルキラ様に
って言われたんだもん!!!
無理だよ!こちとらこれがはじめてなんだよ!
1年で学校作れるか?
人間界ではそんな短時間でできるわけが無い
でもこちらは魔界、もちろん魔術も使える
デルキラ様は魔王だし頼めばいくらでも人は呼べる
あとは私の設計次第なのだ
この学校作成で試されてるのは私の実力
コネなんていくらでも呼べるし
いくらでも費用はかけられるわけで
問題は“どれだけ面白く作れるか”
どれだけあの人の目を引けるか
どれだけあの人を満足させられるか、だ
あの時ほんの一瞬見えた私の欲
欲と言えるほどしっかりした物なのか分からないけど
でもあの時は確かに私の中でできていた
“全悪魔が魔術を使える世界”
絶対に構築してみせる、実現してみせる
それがきっと私の欲だから
わたしの中での最高傑作を生み出してやる
さすがに三徹にもなると疲れが出てくる
おかしいなー
向こうにいた時は徹夜なんて余裕だったのに
なんだろうね、嫌な予感しかしないよ?
一応サリバンさんから作法とかは
一通り学んではいる
それでもこういった社交場は初めて
それもよりによってポロちゃんと
前回の件からさっちゃんやデルキラ様は大分いや
かなり過保護になった
(前回の件が分からない人は6、7の話を見てね☆)
さっちゃんはまだとしてデルキラ様はやばい怖い
2人とも私を心配してなんだろうけど
デルキラ様があんなだから
きっとポロちゃんも気を使ってくれたんだろう
絶対そんなこと認めないだろうけど
ふと見たらポロちゃんはなんか誰かと話してるし、
早いとこ挨拶して帰ろっかな……
他所からヒソヒソと声が聞こえる
アスモデウスって確か
美徳と礼儀を重んじる悪魔だった気が
まぁ興味は無い
隅にでも寄ってよ
ドンッ……
肩と肩同士がぶつかる
人混みが多くなったせいだろう
なんだか嫌な予感する
顔見られたけど……バレてないよね?(特大フラグ)
ははっ、
フラグ回収の鬼!
キャラ濃いの来たー!!
いるよねー、だいたい作中に一人はいる
クッソキャラ濃いヤツ
独特な喋り方
語尾の音が少し高くなるけど
不思議と悪い気はしないような
ガチガチのぶりっ子という訳でもなくて
元からそれが許されているような
単刀直入に言うと美しい
思わず「はぁ!?」と言いそうになるのをグッと堪える
ここは貴族会
恥をかく用ではデルキラ様の顔に泥を塗る事になる
(ポロちゃんにそう言われた)
「で?どうなの♡?」
ニッコニコの顔でそう言ってくる
絶対に期待してるタイプだ
でも実際のところ
そんなことは一切ない
あの人の行動や発言に
好意なんて無いのは流石の私でもわかる
私はただ人間界からやって来た“人間”で
あの人は私を召喚した“悪魔の王”で
その関係性が壊れることはこの先一生ない
ただただ面白がって相手してるだけ
きっとそのうち飽きて相手にはされなくなる
その理由は私が“人間”だから
という理由だろう
さっちゃんから聞いた
…
「あなたはデルキラ様が唯一、隣に置いた女性です」
「恐らく、周りからもっとも見られる立場かと」
「重々ご注意を」
…
魔王の隣という立場がどれほどの地位か
クウィン家の話を聞けばよくわかる
だからこそあの家系はその地位に執着し、依存した
絶対に誰にも渡すものか、と
かと言って、その地位に立てば
魔王の愛が受けられる、とは限らない
結局、“魔王の隣”というのはただの称号でしかなくて
誰も魔王のことなど見ていなかった
それゆえの破談
それゆえの陥落
いやいやいや、待てよ?
今日急用で来れないとか言ってなかったけ?
ぐいっとデルキラ様に引っ張られる
てか、まだマムリリスと話途中だったんだけど
※この時代はまだスマホがありません。
代わりに梟やら鳥やらで文通してる時代です
今度は結構強めに腕を引っ張られる
あれ?なんかこの雰囲気……
まずいっ、私なんかしたか!?
☆→25
♡→40
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!