なんやかんやあり、
ポロちゃんとこに弟子入りすることになりました☆
まだ魔術のまの字も知らないような私ですよ?
ポロちゃんに弟子入りとか……いや、
ちょっとね????
友達だと思ってたポロちゃんが師匠とか
もうどんな罰ゲームよ!!
ポロちゃんはいつになく厳しいお様子
それもそうだよね
ポロちゃんデルキラ様ガチ勢だもん
そう言ってポロちゃんは手に魔力を貯めて
地面に向けてそう唱えた
次の瞬間地面が膨れ上がって
大きな木のように変化していく
ゴゴゴゴゴ……!
魔力を向けられた地面はみるみるうちに変化して
大きな塊となってその場に現れた
当たり前かのように現れたそれに
驚いているのは自分だけみたいで
どうやら悪魔にとってはこれが当たり前らしい
(いいえ、ポロちゃんが凄いだけです)
ポロちゃんがやったように
ものの形を変えるイメージ!
ズズズズ……
ポロちゃんのものとは比べ物にならないけど
少しだけ土の形を変えることが出来た
自分の体の半分ほどに伸びたそれを見て
顔から笑が消えようとしない
ドクンッ
「すみません……」
「申し訳ありません」
(これはあの子のミスなのに……)
「そんなこと……」
私だって聞きたい
人間界にいた時のこと
私の勤めてた会社は文字通り真っ黒な会社で
日々の罵詈雑言なんて当たり前
勝手に私のせいにされるし
あとから来た後輩にだってミスを擦り付けられる
ポロちゃんの教えもあって
私は大体の基礎魔術が使えるようになった
悪魔はみんながみんな魔術を使えるのが当たり前
だと思ってたけど
どうやらそうでは無いらしい
きちんとした知識がなければ難しくて
元々魔力の少ない者もいる
誰かがご丁寧に教えくれるわけもなく、
魔界で魔術を使えるのは現状3割ほど
きっと魔界はもっと楽しく、賑やかになる
ビクッ……
初めて会った時のことを思い出す
あの殺気、あの圧
悪魔は自分以外の者に対して非常に情が薄い
いつだって自分が最優先
メリットさえなければ誰かのために動こうとなんてしない
教えるなんてもっての外
1人の教師が多くの生徒に
教えを乞う、それは言わゆる“愛”
だが、
悪魔にとって、どこの誰かも分からぬ者に
教えを乞い、慈愛の心で育てるなど
まぁ、簡単に言うと“不可能”である
そこであなたは考えた
別に慈愛の心で育てずとも、
子というのは想いを乗せれば育つもの
その想いが憎しみだろうが、怒りだろうが
最終的な形は違えど育つのだ
実際己がそうだったから
初めて魔術を使ってみて、
本当に楽しかった
だからこそみんなにも
使えるようになって欲しかった
もう既に慣れたデルキラ様の登場方法に
しれっとした対応をする
何回も驚かせるのやられたら
さすがになれるよ
なにか叶えたいことがあるなら
全てをそれに
別に何も学校を作らなくても……
ていうか急すぎる
「全悪魔が魔術を使える世界」
それをめざして
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。