あなたside_
遡ること7年前。
小学3年生の春。私の学校は3年生からクラブ活動開始だった。
4年生以上が、3年生をクラブ勧誘している。
私は、正直クラブとかどうでも良かった。
そう言われて、断れるはずもなく、バレークラブに私は入った。楽しくなって、残りの3年間も続けた。
中学に入っても、バレーを続けると私は決めた。
中学2年生の夏。
強化合宿があった。
練習試合をしていたら、突然ベンチに下げられた。
理由は、もちろん私。
私が、愛子にちゃんとトス上げてたら、きっと今もバレーをしていたはず。
私は、愛子にトスを上げた。
けど、愛子に届かなかった。
いつもなら、みんなに、
【天使】
って言われるのが嬉しいはずなのに、その日以来、天使と言う言葉が使われるのは、
【落ちた天使】【恵まれない天使】
そうやって、天使と呼ばれるのは辛い。
それから私は、バレーを辞めた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。