⤴︎前回
どうして失敗した?
自分を追い詰めるほどに、色々な感情が溢れた
自分自身に対する失望、怒り、
仲間や見に来てくれた人、このステージに出させてくれた人たちへの罪悪感、
今まで練習してきて、必死に練習してきて。
絶対、絶対、絶対何があっても成功するようにやれることは全て尽くしてきた、はずだった。
なのに、俺のせいで、全部俺のせいで、
このライブの雰囲気も、グループの未来も全部壊した。
何も聞こえない、もう何も考えられない、そう思って必死になって会場から逃げるように走ったけど
本当に自分勝手だ。全てが。
時間はもうだいぶ過ぎていて、そろそろライブのセトリが全て終わって閉幕の時間ぐらいだった。
そういえば、
俺は仲間に謝れていない。
そう自分に言い聞かせる。
何があっても、いつだって支えてくれた仲間だろ。
しっかり謝らなきゃ、
そう思い会場に戻った。
人が居ないことをよく確認しながら会場裏に入って行った。
きっとまだ、楽屋にいるはず、
ごめんなさい。そんな一言では済ませられないぐらいに酷いことをした。
だけど、だからこそ向き合わなければいけない。
その時だ。
ドア越しからでも聞こえる大きな叫び声。
ギター担当の同じバンドメンの声だった
誰か分からない声…
他のグループの人、?
他のメンバーのベース担当がそう言って荒立っているギター担当を止めようとする声が聞こえる。
その言葉が聞こえた瞬間、その場に大きな槍が刺されたように拘束されて、動けなくなった。
今日の話、俺の…話だった。
そうだ、思い出した。この声は今回のライブでは1番有名なバンドのリーダーだ。
俺たちなんかよりもたくさん大きなステージでライブしてきて、本当に歌も音楽も上手い人たち。
ガタガタッと取り押さえる音が響く。
その言葉が放たれた瞬間、心がキュッとなった。
…俺を庇って、馬鹿にされても俺のために大手だろうが怒ってくれて
本当に…俺は良い仲間を持っていたんだ。
持ってしまって、いたんだ。
ドアに近づく音が聞こえたので急いで死角に隠れた。
行ったことを確認して、俺はまたドアの前に立った。
そんな声が聞こえた。
その時だ。
そう言って背後から声をかけてきたのは、ドラム担当。
声が出なくなった。
さっきまで言おうと決断してきたのに、
自分で部屋に入る前に、メンバーの方に気づかれてしまった。
そう聞かれて、俺は何も言えずに俯いた。
その言葉が放たれた瞬間理解ができなかった。
なんで、?
そう叫んだ。
そう言って俺は背を向けて走り出した。
もう、罪悪感に押し潰されそうだった。
メンバーの声が聞こえたけど、そんな声はもう届かなくて。
ただただ、その場からできるだけ遠くに逃げた。
走って、走って、走って、
この決断が1番良かった。
この決断が正解だ。
そう言い聞かせた。
全部全部、辞めてしまおう。
いいじゃないか、今働いている職場で定年退職になるまで働いて、
そんな普通の人生が送れれば。
無謀な夢を追いかける、ここまで不幸なことはないだろう?
俺が犯してしまった罪は、大きく2つ。
仲間を謝らせたこと。
仲間を、信じ切ることができなかったこと。
考えるほどに目頭が熱くなった。
いやいや、早く気づけて良かったじゃないか、
これからはこんな“無謀な”ことはしない。
そう生きようと思った。
だけど、仕事をしているうちに出会ったのは“歌い手”というものだった。
どうやらスマホ1つで簡単に誰でもできてしまう、
他のアーティストが出している楽曲をカバーするのが主な活動内容らしい。
元々歌は好きだった、音楽は好きだった。
だから、こうやって趣味程度になにも夢は抱かずに活動していけば気晴らしになるんじゃないか、そう思って始めるようになった。
そうして活動を始めて、しばらくしたら誰かから連絡が来た。
これが、れるちだった。
「DM失礼します!
一緒に、歌い手グループやってみませんか?
今、残りあと1人メンバー探してて!
こったろさんの歌声聞いて、すっごくビビッと来て!!
ご返信お待ちしております!!」
そんな歌い手グループ勧誘のDMだった、
なぜだろう、その時はあんなことがあったあとなのに。
やってみようかな、だなんて思って。俺はすたぽらに入った_
said こえ
何も知らなかった。
そんな過去があったなんて、
れるちが真っ先に言ったのはそんな言葉だった。
それに付け加えて、僕は最後に言葉を添える。
だってそれが1番だから。
そうこったんがいった。
よかった、
また5人になれて。
その時だ。
ズデデデーンッッッ
れるちがそう言い振り返った方向をいっせいに向くと、
そこにいたのは、こったんの元バンドメンバーさんたちだった。
れるちが即座にそう受け答えた。
そう言い、バンドメンさんはニコッと笑った。
そうこったんが言ってくれた。
僕も含まれていると考えると感激だった。
そう言い、僕らは一枚ずつチケットをもらった。
…って。
僕はそう言った。
そんな和気藹々とした中だ
プルルルルルルル…
そう言い、ゆうくんが一度離れた場所へ行った。
スマホ画面を見た時の顔は、一度曇っていたような…?
…いやいや、気にし過ぎか、これは流石に…ね、?
チュドオオオオオオオオンッッッッッッッ
秒速一億キロメートルで木星に接近!()
ざぷーーーんッッッッ(ミシシッピ川に落ちる音)













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。