青side
そのまま訳もわからず当日を迎えた僕
結局、ななもりさんの電話の意図は分からなかった
ただ、信用するべきだ、と脳が訴えてやまなかった
このままじゃ、莉犬くんが死んでしまう
そう思って、僕と莉犬くんは今…
……駅にいた
そう言った莉犬くんの顔は、少し焦っているように見える
自分のせいで、祭りが台無しになるかもしれないからだろうか
ただ、どんなに弟に引き返そうと催促されても、僕は莉犬くんの手を掴んで離したくなかった
莉犬くんを殺す、何かから。
……逃げないと。
質問ばかり投げてくる弟を背に、僕は電車に乗り込んだ
そう言って僕は後ろを振り返り、莉犬くんと向き合う
莉犬くんに向かって手を差し出したが、一向に手を取ってくれる気配はない
莉犬くんは、絶対に乗ろうとしなかった
僕の小さな足掻きは、神様には効かないのだろうか
それでも、莉犬くんだけは……
何が何なのか、分かっていない。
でも、ななもりさんの言葉を信用しないわけにはいかなかった
電車のドアが閉まる合図が聞こえた。
莉犬くんは、電車に乗ってくれない
と思っていた
急に声を上げたと思えば、莉犬くんは先ほどとは打って変わって電車に勢いよく乗り込んできた
そういってニコッと莉犬くんが笑ったのと同時に、電車のドアが閉まり静かに動き出した
僕はとりあえず、僕がなぜこの奇怪な行動をとったのかを、莉犬くんに大まかに説明した
もちろん、僕が霊を見ることができるとは言っていないが
怖くて、強く拳を握りしめた
そして、莉犬くんは静かに口を開いた
莉犬くんのその言葉に、僕は動揺を隠せなかった
父さんたちは、本当に莉犬くんを殺そうとして…?
プルルルル プルルルル
突然、僕のスマホが鳴った
あまりに急すぎたので、僕の肩が少しはねた
莉犬くんのその発言に賛同しながら、着信の相手を見る
さとみくんだった











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!