頭部に触れられ、縛られていたナニカがなくなった。
そして目から大量の情報が流れてくる。
全てが見える。
ベッドも手も足も。目の前にいる人も。
なんで…。私は目が見えないはずじゃ…。カイトはいつも私のことを『目が見えない可哀想な子』と言っていた。私は目が見えないと思っていた。
目が痛い。カーテンの隙間から差し込む日差しが目の奥を刺激する針のようだ。
誰だっけ。知っている。私はこの人を知っている。
でも思い出せない。黒く塗りつぶされたような。
違う。思い出そうとするたびにカイトの暴力が横切る。痛かった。ずっと痛かった。
カイトは手を上げ続けた。私が叫んでも泣いても『あなたのためだ』と言って殴り続けた。
悪いのはカイト?
この優しい声を私は知ってるはず。
だって本能はこの人のことを抱きしめたいと言っている。なのに思い出せない。
目の奥が痛い。溢れる涙が瞳を潤してくれる。
それでも目が痛い。泣くたびに体中の嫌というほど覚えさせられた拳のアザが思い出させる。
誰だっけ。思い出したい。カイトの暴力の奥にある記憶の箱を開けたい。
大切な人。思い出さないといけない人。そんな気がする。
最後どうなるのかお楽しみに
早く投稿できるように頑張ります














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。