第2話

1. 事の発端と出会いは(1)
35
2023/10/22 13:30
この物語の始まりは9年前
ニュースで報道されるくらいの大事故が起きた。
加害者の飲酒運転で信号無視をしたものにより起きた事故だった

被害者は15歳の中学3年生。
車にはねられたが加害者のひき逃げで少女の体は壊れた。



事故のその後。一命を取り留めることはできたが...
少女の足は麻痺。他の部分にも麻痺が残っている
事故当日からずっと...今日まで入院しているのだ
瑠璃るり
(あーあ。自由になりたいな...)
事故前は明るかった少女の性格も
事故のあとから内気になってしまった。
1年後
瑠璃るり
(リハビリしても治らないのに...なんで治療してるんだろう...)
毎日、リハビリと治療の日々。
1年も続けているけれど、変化なし。
大事だった友達とも疎遠になって、いろんなものを失った

そんな毎日に嫌気を指していた
瑠璃るり
いっそのこと...
そんなことを考えて過ぎてく日常。







でも

日常は突然一変する。

アイツとの出会いで、少女の人生は変わった。
あさひ
はぁ...はぁ...くっそ...
瑠璃るり
ん...?
ちょうど検査待ちをしていたときだった。
走ってきた青年がいた
あさひ
ちょっと休憩...
少女の隣のベンチに座ってきた青年
瑠璃るり
(気まず...)
あさひ
...
チラチラと見つめてくる青年と気づいてないふりをする少女
あさひ
えーっと...安達瑠璃さん?
瑠璃るり
...え?
ずっと黙って座ってる中、突然声をかけられたら驚くだろう
瑠璃は驚きを隠せなかった。
あさひ
あの...B5病棟ってどこですかね...
瑠璃るり
B5病棟...?
あさひ
はい...母が倒れたらしくて...
B517室らしいんですけど...
瑠璃は少し考え、男に返事した
瑠璃るり
売店の隣のエレベーターで5階まで上がればいけますよ
あさひ
あ、ありがとうございます!!
青年は走っていったが...
瑠璃るり
(ん...?スマホ忘れてる...)
手帳型のスマホケースが開いておいてあった
そこには名刺が挟まっている
瑠璃るり
(腕で抑えて...難しい...)
瑠璃は左肘から手までは一部麻痺がある。
不自由ながらなんとか名刺を取り出した。
瑠璃るり
辻本つじもと...あさひ......)
名刺には会社の名前と電話番号も書いてある
看護師
安達さ〜ん検査しますよ〜
瑠璃るり
あ...
看護師
ん?それは...?
瑠璃るり
あ、親戚のスマホ...
置いて行っちゃったみたいで...
瑠璃は咄嗟に嘘をついた。
自分がこのスマホを持ってるにはこれしかないと思ったから
看護師
そうだったんですね。
今日の検査は看護学生の子もいるけど、気にしないでね
瑠璃るり
あ、はい...
瑠璃は検査中もずっと、青年のスマホを心配していた。
車椅子においておいてもスマホをなくさないか不安だった。

こう見えて瑠璃は心配性だ
青年がスマホを取りに来ること事態、本当に来るか心配するくらいだ
瑠璃るり
(検査に集中しなきゃ...)
あさひ
あれ...スマホ...
青年は母を見届け、家に帰ろうとしたがその時にスマホをなくしたことに気づいた
あさひ
(やっば...今日やらかしすぎだろ俺)
昔からの高い頭脳で考える。
その結果...
あさひ
(あの子...もしかして気づいてるかな)
そう、点滴と左手首のバンドに書いてあった名前「安達 瑠璃」
看護師さんに聞けば病室がわかるはずだからその作戦で行こうと足取りを軽くして歩いた

プリ小説オーディオドラマ