驚いた。てっきり本当の兄弟かと・・・。
そんなことがあったんだ・・・。
マスターさんは、くるっと向きを変え、大沢くんの方を見る。
マスターさんの目が涙目になっていく。
マスターさんの目から大粒の涙がこぼれ落ちている。
私も感じた。大沢くんや浦川くんではないけれど、黒の冷たい目つき。
涙はボタボタと流れ、アスファルトを濡らす。
なんだか切ない。
でも、人のためにここまでできるマスターさんは本当にすごかった。
黒は黙っていた。頑なに言わない。みたいな顔をしている。
でも、沈黙が疲れたのか、黒は口を開いた。
黒はそのまま泣き崩れた。見た目に反して泣き虫なんだと思った。
黒は強がっていただけなんだ。本当は気が弱いだけだったんだ。
大沢くんはとんでもないことをポロッと口に出す。
私は、苦しかった。
憎い。何もできなかった自分が。ただ突っ立ってただけの自分が。
みんなはこんなに辛い思いをしてるのに、私は何をしていたんだろう?
でも1番憎いのは昔の私。面倒ごとは避けて、とにかくほとんどのことを面倒くさいと思っていた。
平穏に過ごしたいからとか、そんな綺麗な言葉で言い訳をして。
───パトカーのサイレンが聞こえる。
どうやら、近所の人が通報したらしい。
その後、事情聴取のために幹部とマスターさんは警察に連れて行かれた。
私達、3人はポツンと立っていた。
そう言って、倉本祐一は去って行った。
・・・そうだよ。大沢くんの言うとおり。
大沢くんが認めてくれたんだもの。思い悩むのはやめよう。
プーッ プーッ プーッ
ガチャ











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。