時は戻って現在──────────
あの時と変わらない、辛い日々をまだ過ごしている。
単位制で他の同級生とはあまり話さないから、味方なんて遥しかいない。
けど…
廊下ですれ違った時の遥の顔はいつにもなく沈んでいた。
私のせいなのか、いつも悩んでしまう。
でも、そのことを聞くと、「全然そんなことないよ」と言うけど…
悩みながら教室に入ると、私を呼ぶ声が聞こえた。
呼ばれた方を見ると懐かしい2人がそこにいた。
私はそのまま廊下へ向かった。
2人は私が1年の時に仲良くしてくれた子たちだ。
クラスは違ったけど、時々話しかけてくれたり、遊びに誘ってくれたりしたんだ。
……でも、
2人はあのこと、知ってるのかな…
…いいのかな。
でも断ったら印象悪くなるかもしれないし…
昼休み、私は一歌と穂波のいる教室へ向かった。
でも、行く時に陰口が聞こえてきて、少し沈んだ。
聞き慣れている筈なのに、
今にでも泣き出してしまいそうだった。
私はその場を抜け出して、一歌と穂波に会いに行った。
穂波が屋上に行こうって言ってくれてよかった。
2人のクラスに私が行ったら、きっと悪目立ちすると思うから。
屋上は少し寒かったが、一歌たちのおかげで何となく暖かくなった気がする。
一歌は自身が好きな焼きそばパンを食べる手を止めて、私に向き合った。
…当然だろう。
私の噂は学年関係なく広まっているから。
これを聞きたいがために私を呼んだんだ、と今気づいた。
薄々気づいてはいたが。
…でも、彼女らは私の戯言なんて信じてくれるのだろうか。
仲間に裏切られているのに。
これを言った途端、私は最低だ、と思った。
2人は私の返答に対し、顔を見合わせた。
…どうして、こんなに2人は優しいのだろう。
仲間も、クラスメイトも信じてくれなかったのに。
無性に嬉しくなって、つい、涙が出てしまった。
この時私は知らなかった。
私よりも、もっと深刻な状況に陥っている友達がいることを。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。