第7話

″にれくん
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2024/06/23 10:00
翌日。












私はいつも通り、ポトスに来ていた。














あなた「ことは、おっはよー」




ことは「お、あなたおはよ。今日入学式だよね?」




あなた「うん〜!見てよ、この制服姿。めっちゃかっけーでしょ?」




ことは「めっちゃかっけーわ。さすがあなた」




あなた「んでしょー!!」














さすがは褒め上手のことは。














最初に制服姿を見せてよかった相手かもしれない。














ま、昨日戦うために着ちゃったんですけどね。


















ことは「今日は何食べるの?」




あなた「オムライス……と言いたいところだが、フレンチトーストを所望する」




ことは「はいはい」















ことはが手際よく料理する姿が見られるカウンター席は、私が大好きでお気に入りの場所。




















せっせと作りながらも、フレンチトーストのモーニングセットに付いているコーヒーを出してくれる。

















ことは「はい、砂糖」




あなた「ありがとー」














私はかなりの甘党なので、砂糖を4つも入れてしまう。














それぐらいがちょうどいいのだ。













コーヒーをすすると、今日は訪れていない人物に気がついた。













あなた「ね、"にれくん"は?」




ことは「あー、にれー?今日はまだ来てないわね」









珍しいな。













にれくんだったら、朝イチで来てもおかしくないのに。













ことはから出されたフレンチトーストを口に含んでいると、お店のドアが開く。











にれくんかな、なんて期待してみれば、そこには白黒頭。













ことは「なに、桜。どうした」









じっと見てみれば、背中にはさとうのおばーちゃんが背負われているではないか。









あなた「もしや、カツアゲ?」




桜「カツアゲじゃねぇーわ!!」













ま、遥にいたってそんなことするわけないってちゃんと思ってるけどね?













さとうのおばーちゃんはいつまで経っても健康体のため、ただ遥をこき使っただけだったみたいだ。














桜「クッソ、オレはもう行くぞ!」




ことは「あっ、待って!」




桜「んだよ!!」














しばらく待っていると、桜に差し出されたのは、たまごサンド。













あなた「ねっねっ、遥。ことはのたまごサンドは絶品だから、味わって食べてね!」




桜「うるせぇな!黙って食わせろ!!」




あなた「はいはい、仕方ないね〜」














ことはとの会話内容を聞いていると、こんなに早くにここに来た(商店街に来た)理由は、入学式でワクワクしちゃったかららしい。














ことは「ま、面白いヤツいっぱいいるしね」





あなた「そーそー」




桜「だっ、だからちげーって……!」














だんだんしどろもどろになっていく遥が可愛い。

















もっといじめたくなっちゃうな。
















ことはと2人でニヤニヤ笑っていると、店のドアがとんでもない音を立てて、開け放たれた。













?「こっとはさぁぁあん!!!」












その人物は、中に入って早々、顔面から転んでいったが。












?「どーすっか、ことはさん!オレの風鈴高校制服姿!決まってるっしょ!!」




あなた「わ〜わ〜同じ思考回路だったんだ〜いやだなー」




楡井「嫌とはなんですか、あなたさん!」




あなた「わっ、はは……」











楡井秋彦にれいあきひこ














私と遥と同じで、今年から風鈴高校に入る生徒だ。










ただ、ちょっと言わせてもらいたい。












……その形から入っている不良姿はなんなんですかねぇ?















紐付きサングラスに、中にはキラキラと輝く紫色のインナー。



















正直、関わりたくない。

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