あの後、すぐにジスオンニがダンス部へ所属。
ミンジョンは当然のように生徒会へ所属し、私まで生徒会へ強制的に入れられそうになった。
命からがら抜け出して、とりあえず今日は帰るということになったジスオンニとミンジョンの三人で家に帰って。
私は今日もまた、母親のパシリとして妹を引き連れ散歩がてらにコンビニへ立ち寄った。
昨日よりも約二時間弱早く着いたそこには、昨日と同じ顔がいて。
それなりに緊張が解けてくれたのか、目があった数秒後には昨日見られなかった笑顔を見せてくれた。
…そんな様子を見た我が妹は、どこか少し興奮していて。
ジスオンニも私もミンジョンも。
それなりに学力はあって成績も優秀な方なのに、ミンジョンだけどこか天然みのある性格。
愛されキャラの妹は、レジにいる名井さんをチラチラ見ては手を振ったりお辞儀をしたり。
礼儀がしっかりしてるんだかしてないんだかわからない行動ばかりしている。
まぁ…こういう所が年上に好かれる理由なんだろうけど。
私が最後まで言い切る数秒すら我慢ならなかったのか、子供のように走り出しては犬みたいに尻尾を振って。
店内に人が少ないことだけが救いだな…
ジスオンニに頼まれた水とコーラ、後スナックとグミをカゴに放り込んでからレジへ向かう。
そこには楽しそうに笑ってるミンジョンと、ちょっとミンジョンに押し負けている名井さん。
ミンジョンの長所は圧倒的コミュニケーションだな。ていうか圧倒的愛嬌の多さよ。ほんと。
人前で私のことをすっとこどっこいとのたまったミンジョンが、大きく腕を抱えて持ってきた数多の菓子類。
菓子どころか菓子パンにジュース、絶対食べないであろう珍味菓子。
そんなものまで大量に抱えて戻ってきたミンジョンははちゃめちゃな笑顔を浮かべていた。
名井さんにはすっとこどっこいで笑われて、他の店内にいたお客さんにはミンジョンのその姿で笑われてる。
しかもこれが別に笑わせようと思ってやってないんだから、本当にうちの妹は…手に負えない。
しかもそれが可愛く見えちゃうんだから本当に手が負えない。
昨日ほどではないけれど、それなりの大きな声でまた。
引き止められ、足を止めれば一緒に帰ろうとのお誘い。
昨日より随分気を許してくれたからなのか、赤面しながらつらつらと並べられた理由がかなり可愛らしいものに思えた。
ミンジョンと仲良くなりたいから。
そんな理由で人前で大声を出せるなんて見かけによらず肝が据わってるんだな、なんて。
そのまま外のフェンスに腰掛けて。
その日の帰り道は、名井さんの言葉通りミンジョンのコミュ力爆発会。
陰の気を持つ私が混じれるわけもなく、大人しく二人の跡をついて歩いて。
楽しそうに話してるミンジョンと名井さんを後ろから眺める私。
側から見たら多分...背後霊にでも見えてるのかな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。