第9話

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2022/07/04 09:18








南
……いらっしゃ…!こ、こんにちは…笑
あなた
どうも...









あの後、すぐにジスオンニがダンス部へ所属。




ミンジョンは当然のように生徒会へ所属し、私まで生徒会へ強制的に入れられそうになった。




命からがら抜け出して、とりあえず今日は帰るということになったジスオンニとミンジョンの三人で家に帰って。




私は今日もまた、母親のパシリとして妹を引き連れ散歩がてらにコンビニへ立ち寄った。




昨日よりも約二時間弱早く着いたそこには、昨日と同じ顔がいて。




それなりに緊張が解けてくれたのか、目があった数秒後には昨日見られなかった笑顔を見せてくれた。




…そんな様子を見た我が妹は、どこか少し興奮していて。



민정
민정
オンニ?!オンニ、いつの間に南先輩と仲良くなってたの?!
あなた
仲良くって…別に、ちょっと話しただけ。仲良いも何もないよ
민정
민정
でも南先輩のあんな可愛い笑顔見たことない…
あなた
そりゃそうでしょ。ミンジョンだって今朝が初対面でしょ?
민정
민정
…そういえばそうだった。笑





ジスオンニも私もミンジョンも。




それなりに学力はあって成績も優秀な方なのに、ミンジョンだけどこか天然みのある性格。




愛されキャラの妹は、レジにいる名井さんをチラチラ見ては手を振ったりお辞儀をしたり。




礼儀がしっかりしてるんだかしてないんだかわからない行動ばかりしている。




まぁ…こういう所が年上に好かれる理由なんだろうけど。



あなた
ミンジョア、名井さんと話してきたら?
민정
민정
え?いいの?!
あなた
うん。後ジスオンニの飲み物とお菓………最後まで聞きなさいよ




私が最後まで言い切る数秒すら我慢ならなかったのか、子供のように走り出しては犬みたいに尻尾を振って。




店内に人が少ないことだけが救いだな…




ジスオンニに頼まれた水とコーラ、後スナックとグミをカゴに放り込んでからレジへ向かう。




そこには楽しそうに笑ってるミンジョンと、ちょっとミンジョンに押し負けている名井さん。




ミンジョンの長所は圧倒的コミュニケーションだな。ていうか圧倒的愛嬌の多さよ。ほんと。



あなた
店員さん、会計お願いします
南
あ…ありがとうございます!
あなた
ありが…?笑
민정
민정
…オンニ、ジスオンニのアイス忘れてるよ?
あなた
え?アイスなんてたのまれてたっけ
민정
민정
あーあ、オンニのすっとこどっこい!私が持ってきてあげる!
南
へ……すっとこどっこい…?笑
あなた
...ああいう子なんです、ちょっと抜けてるってか、なんていうか…
南
天然さんなんだ笑
あなた
まぁよく言えばそうなりますね
南
でも、凄いね。フレンドリーっていうか、明るいっていうか
あなた
ですね…前の所でも友達沢山作ってましたよ
南
だろうね...笑
민정
민정
オンニ!持ってきた!!
あなた
…ちょっと待って。今度は何考えてるの?




人前で私のことをすっとこどっこいとのたまったミンジョンが、大きく腕を抱えて持ってきた数多の菓子類。




菓子どころか菓子パンにジュース、絶対食べないであろう珍味菓子。




そんなものまで大量に抱えて戻ってきたミンジョンははちゃめちゃな笑顔を浮かべていた。




名井さんにはすっとこどっこいで笑われて、他の店内にいたお客さんにはミンジョンのその姿で笑われてる。




しかもこれが別に笑わせようと思ってやってないんだから、本当にうちの妹は…手に負えない。




しかもそれが可愛く見えちゃうんだから本当に手が負えない。




あなた
その大量のお菓子とアイスは何?ジスオンニはグルメ王じゃないんだよ?
민정
민정
お母さんとお父さんの分!後オンニの分も!
あなた
有難いけど戻しておいで。お母さんはダイエット中だしお父さんは糖質制限してるんだから
南
…あなたの名字さん、母親みたいだね笑
あなた
よく言われます…ミンジョン、せめてどれか二つ。私の財布事情的にそれは無理
민정
민정
さすが!ありがとオンニ!!
南
……じゃあ、お会計2680円です
あなた
...はぁ
南
姉妹がいると楽しそうだね?笑
あなた
嫌味ですか?…これ、丁度で。
南
はい…丁度、お預かりしますっ
あなた
じゃあ、また。二学期…
南
あ、ねぇ。
あなた
はい?
南
…今日も、一緒に帰れないかな
あなた
...え?
南
や、別に無理にとは言わないんだけど…その、ミンジョンちゃんと仲良くなりたいし、あなたの名字さんとも仲良くなりたいし、一人で帰るのとかちょっと怖いしもしよかったらどう…かな… って
あなた
...超早口......ですね、笑
南
そこは気にしないで...笑
あなた
えと...じゃあ、ミンジョン!
민정
민정
は〜い?
あなた
名井さんが、ミンジョンと帰りたいって。ちょっと待つけど、大丈夫?
민정
민정
え?!いいんですか!?
南
えっ…こ、こちらこそいいかな…?
민정
민정
ぜひ!お願いします!!
あなた
…じゃあ、また外で待ってますね?
南
あ…ありがとう、すぐ行きます!
あなた
ゆっくりで大丈夫ですよ









昨日ほどではないけれど、それなりの大きな声でまた。




引き止められ、足を止めれば一緒に帰ろうとのお誘い。




昨日より随分気を許してくれたからなのか、赤面しながらつらつらと並べられた理由がかなり可愛らしいものに思えた。




ミンジョンと仲良くなりたいから。




そんな理由で人前で大声を出せるなんて見かけによらず肝が据わってるんだな、なんて。




そのまま外のフェンスに腰掛けて。




その日の帰り道は、名井さんの言葉通りミンジョンのコミュ力爆発会。




陰の気を持つ私が混じれるわけもなく、大人しく二人の跡をついて歩いて。




楽しそうに話してるミンジョンと名井さんを後ろから眺める私。








側から見たら多分...背後霊にでも見えてるのかな

































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