親に失望され、見放され、テキトーに育てられた俺は何の為に生まれたのだろう。
何の為に生きているのだろう。
そんなことを考えながら生きて早17年
何かしらの存在意義が欲しくて、たまたま見つけた"歌い手"になってみた
歌を歌うとみんなが褒めてくれて
配信をするとみんなと話せて
こんなに心地良い場所があったなんて
きっとインターネット上の"偽りの好き"を伝えられているだけかもしれない
だけど少しでも"僕"に興味を示してくれているなら、
俺はなんとしてでもそれに縋りつくよ。
《配信中》
〈あなたの歌い手の時の名前の笑い方好き
〈わかる
〈いや、なんかがちで笑ってるけどほんとはそんなに面白くなさそう...みたいな
〈まじそれな
〈裏ありそう
〈あ、デレた
〈私らの話すのたのちーですねぇー
〈かわちぃね
〈誰か切り抜き頼む
〈ひっど、
〈ほんとはー?
〈私らのこと、だーいすきなんだねー
〈そんなキレんなって、おめーはかわいいぞ☆
〈、~~~?
〈~~~~w
〈www
.....
やっぱこうやって言い合えるほどのリスナーができてよかった、
たしかにお前らリスナーのことは嫌いじゃねー
どちらかといえば好き
だけど、こんな俺に関わってしまって可哀想だ
どうか、このまま嫌いにならないでッ___。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。