第36話

中忍選抜試験
2,363
2023/10/25 13:49
夜、あなたはいつもの様に一人、窓に腰を下ろし夜空を眺めていた。

半月が彼女を照らし出し、瞳にも鏡のように月が映し出されていた。
月夜(夢主)
.........。
ポケットから中忍選抜試験のエントリーシートを広げ、物思いに老け込んでいた。

買い物を終え、自宅に帰る途中、カカシ先生が渡してくれた物だ。
はたけカカシ
あなた、火影様には試験推薦はしたから。ナルト達も同様にね。参加するかしないかは個人の自由だよ。
月夜(夢主)
カカシ先生、私、参加しますよ。
私、自分の実力がどこまでか知りたいんです。
はたけカカシ
そうか、あなたならそう言うと思ったよ。期待してるからね。
そういうとカカシ先生は優しく大きな手で私の頭を撫でてくれた。

本当に先生は優しい人だ。

私はその後、エントリーシートを自宅で記載し参加する事を決めた。
月夜(夢主)
期待してる…か。嬉しいなぁ…。
はたけカカシ
嬉しかったのか?
月夜(夢主)
ひゃっ…!?
はたけカカシ
おっと、悪い悪い。
突然、目の前にカカシ先生が現れ、驚いて変な声が出てしまった。話を聞かれていた事に対して、恥ずかしくなり顔に熱が集中する。
月夜(夢主)
カカシ先生、こんな夜に何の用ですか…。
顔を腕で少し隠し、少し怒った口調であなたはカカシに質問を投げかけた。
はたけカカシ
ちょっとあなたの様子を見にね?驚かせてごめん。それ昼に渡したエントリーシートか。
月夜(夢主)
そうです。
はたけカカシ
何か悩み事でもあるのか?
月夜(夢主)
いえ、ただ…少し心配というか緊張して眠れないんです。

だからこうして夜空を眺めていました。
はたけカカシ
そうか、まぁ緊張はするよな。
あなたは木の葉の里に来て俺達と任務をこなしてきたが今回は任務とは別物だもんな仕方ないさ。
月夜(夢主)
それもそうなんですけど……。
はたけカカシ
何だ…?
月夜(夢主)
……自分が抑えられなかったらどうしようと思って不安なんです。
それは自分の中の暗殺者としての制御と何よりも十五尾が暴走してしまうのでは無いかという不安だった。

当然、いつもその事は波の国の時以来、不安を抱いていた。
はたけカカシ
そうか…あなた、その着けているピアスは十五尾の力を制御する物でもある。

それがある限り"前のような事"は起きないだろう…。
カカシ立ち上がるとあなたの横に座り胸を貸すように抱き寄せた。
はたけカカシ
あなた、済まない。
もっと君を早く見つけたかったとずっと後悔している…。

火影様ですら月ノ里の情報は断絶され貿易のみ交わしていたからな…。
月夜(夢主)
分かっています。
カカシ先生だから、そんなに思いつめないで下さい。

こうして私を思ってくれてるだけで私、わたし…
月ノ里で過ごした事がフラッシュバックし自然と涙が溢れてしまう。

思いたくないことが次々と溢れ胸が苦しくなり声が細くなる…。
はたけカカシ
あなた、大丈夫。
もう誰にも君を傷つけさせない。
大丈夫、大丈夫だよ。
月夜(夢主)
カカシ先生……先生……。
その夜、カカシ先生は私が泣きやみ寝付くまでそばに居てくれた。

「カカシ先生……ありがとう。」





朝────────────。
時計のタイマーが鳴り響き無造作に止めると時計の横にカカシ先生の書いたメモが置いてあった。

中を確認すると「中忍選抜試験、頑張れよあなた。俺も見てるから安心して自分を出しなさい。」
月夜(夢主)
…カカシ先生⸝⸝⸝⸝
あなたの不安な気持ちは無くなり中忍選抜試験に向け気持ちを引きしめた。

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ナルトくんと共に中忍選抜試験、受付会場に着くとサクラがあなたに気づき手を降っていた。

隣にはサスケが腕を組み私の方をチラ見する。
春野サクラ
あなた、ナルトおはよう。
月夜(夢主)
おはようサクラちゃん。皆これで揃ったね!
うずまきナルト
なんか俺わくわくと緊張で変な気分だってばよ。
返事の無いサスケくんが気になり私は顔を覗いて「おはようサスケくん。」と言うと少し顔を赤らめたが素っ気ない態度で「おはようあなた。」となにか悩んでいた。

もしかして、あの我愛羅の事で何か気になる事があるのかと隣に立つ。
月夜(夢主)
サスケくん、中忍選抜試験、緊張してる?
うちはサスケ
まぁな…なぁ、あなた。
我愛羅ってやつ知ってるか?
月夜(夢主)
うん、知ってるよ。
(やっぱり何かあったんだ。)
うちはサスケ
そうか…あいつには気おつけろ。
俺の勘だがな…。
月夜(夢主)
ありがとうサスケくん。
皆、中忍選抜試験頑張ろうね。
春野サクラ
うん!
うずまきナルト
おう!
エントリーシートを受付に渡し中へと入ると既に何人かの忍び達が周りにいた。

廊下を進み上の階えと上がると何やら教室の前が騒がしい。

覗いてみると301号室の前で言い争いをする2人の女の子と男の子。
お願いですから・・・
そこを通してください。ぐっ!
ダメだね。
ケツの青いガキが中忍試験だと?
笑わせるなよ。

どちみに受からないものをふるいに掛けて何が悪い。
忍び2人が教室前で立ち阻み邪魔をしていた。

紙に書いているのは301号室第一試験の会場。

だが、あなたはこの教室と忍び2人に違和感を感じた。
月夜(夢主)
ねぇ、サクラちゃん。
あの二人下忍じゃないよ…それにあの教室…。
春野サクラ
ふふっ、あなたも気づいたのね。
うちはサスケ
正論だが俺は通してもらおう。
そして、"幻術"をかけたここをとっとと解いてもらおう。

俺は3階に用があるんでな。
一体なんの事かな?
うちはサスケ
サクラ、あなた、2人はもうとっくに気づいてるはずだ。
月夜(夢主)
うん…!サクラちゃん。
春野サクラ
そうね、ここは3階じゃなくて2階よ!
そう言うと301号室は201号室へと変わり幻術が解かれる。
へぇーやるじゃん。
だが見破っただけじゃぁね!!
うちはサスケ
____!!
邪魔をしてきた忍びの1人がサスケに蹴りを入れようとしサスケも対抗しようと足を上げた瞬間、2人の間に先程言い争っていたうちの一人のおかっぱ頭の男の子が止めに入った。
月夜(夢主)
(あの動きとスピード…凄い!)
ふぅ…。
うちはサスケ
(俺の蹴りを止めた…!何がこいつの腕のチャクラ…。)
おい、話が違うじゃないか。

下手に動いて注目されたくないと言ったのは思えだぞリー。
すると、リーと呼ばれるオカッパの眉毛の濃ゆい男の子が私とサクラちゃんを見てこちらへと近づいてきた。
ロック・リー
僕の名前はロック・リーです。
えっとサクラさんと…貴方の名前は?
月夜(夢主)
月夜あなただよ。
ロック・リー
サクラさんにあなたさん!
素敵な名前ですね!!

是非、2人共僕とお付き合いしましょう!!

僕が死ぬまで貴方達を守りますから(キラーン☆
春野サクラ
絶対、嫌。
月夜(夢主)
ごめんなさい(にっこり
ロック・リー
えっ?
春野サクラ
あんた濃ゆい…。
月夜(夢主)
あはは笑
ロック・リー
ガックリ…。
おいそこのお前名は?
うちはサスケ
人に名前を聞く時は自分から名乗り出るもんだぜ?
うずまきナルト
サスケばっかり!
何?お前ルーキーだな?
歳はいくつだ?
うちはサスケ
応える義理は無いな。
また揉め事になりそうだなと思い私はサスケくんと話しかけてきた男の子の横に立つ。

恐らくこの子もかなり強い。目で分かる。
月夜(夢主)
まぁまぁ、喧嘩しちゃだめだよ2人とも。
うちはサスケ
そうだな、こんな所で暇を潰す気は無い。行くぞあなた。
月夜(夢主)
ごめんねサスケくん悪気は無いの。またね!
(…あの女も中々強そうだ。)
私達は3階へと向かう。

一方その頃、幻術をかけ邪魔をして来た忍び2人が扉の後ろから、その様子を伺っていた。
やれやれ、今年の受験生は強者だらけだぜ。特にあのカカシ班は見ものだな。
術を解くと元の大人の姿へと変え2人は顔を見合せた。
試験監督
俺達、試験監督として気合いを入れないとな。

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