夜、あなたはいつもの様に一人、窓に腰を下ろし夜空を眺めていた。
半月が彼女を照らし出し、瞳にも鏡のように月が映し出されていた。
ポケットから中忍選抜試験のエントリーシートを広げ、物思いに老け込んでいた。
買い物を終え、自宅に帰る途中、カカシ先生が渡してくれた物だ。
そういうとカカシ先生は優しく大きな手で私の頭を撫でてくれた。
本当に先生は優しい人だ。
私はその後、エントリーシートを自宅で記載し参加する事を決めた。
突然、目の前にカカシ先生が現れ、驚いて変な声が出てしまった。話を聞かれていた事に対して、恥ずかしくなり顔に熱が集中する。
顔を腕で少し隠し、少し怒った口調であなたはカカシに質問を投げかけた。
それは自分の中の暗殺者としての制御と何よりも十五尾が暴走してしまうのでは無いかという不安だった。
当然、いつもその事は波の国の時以来、不安を抱いていた。
カカシ立ち上がるとあなたの横に座り胸を貸すように抱き寄せた。
月ノ里で過ごした事がフラッシュバックし自然と涙が溢れてしまう。
思いたくないことが次々と溢れ胸が苦しくなり声が細くなる…。
その夜、カカシ先生は私が泣きやみ寝付くまでそばに居てくれた。
「カカシ先生……ありがとう。」
朝────────────。
時計のタイマーが鳴り響き無造作に止めると時計の横にカカシ先生の書いたメモが置いてあった。
中を確認すると「中忍選抜試験、頑張れよあなた。俺も見てるから安心して自分を出しなさい。」
あなたの不安な気持ちは無くなり中忍選抜試験に向け気持ちを引きしめた。
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ナルトくんと共に中忍選抜試験、受付会場に着くとサクラがあなたに気づき手を降っていた。
隣にはサスケが腕を組み私の方をチラ見する。
返事の無いサスケくんが気になり私は顔を覗いて「おはようサスケくん。」と言うと少し顔を赤らめたが素っ気ない態度で「おはようあなた。」となにか悩んでいた。
もしかして、あの我愛羅の事で何か気になる事があるのかと隣に立つ。
エントリーシートを受付に渡し中へと入ると既に何人かの忍び達が周りにいた。
廊下を進み上の階えと上がると何やら教室の前が騒がしい。
覗いてみると301号室の前で言い争いをする2人の女の子と男の子。
忍び2人が教室前で立ち阻み邪魔をしていた。
紙に書いているのは301号室第一試験の会場。
だが、あなたはこの教室と忍び2人に違和感を感じた。
そう言うと301号室は201号室へと変わり幻術が解かれる。
邪魔をしてきた忍びの1人がサスケに蹴りを入れようとしサスケも対抗しようと足を上げた瞬間、2人の間に先程言い争っていたうちの一人のおかっぱ頭の男の子が止めに入った。
すると、リーと呼ばれるオカッパの眉毛の濃ゆい男の子が私とサクラちゃんを見てこちらへと近づいてきた。
また揉め事になりそうだなと思い私はサスケくんと話しかけてきた男の子の横に立つ。
恐らくこの子もかなり強い。目で分かる。
私達は3階へと向かう。
一方その頃、幻術をかけ邪魔をして来た忍び2人が扉の後ろから、その様子を伺っていた。
術を解くと元の大人の姿へと変え2人は顔を見合せた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。