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第3話

first lie👠
130
2020/01/18 04:22
prrrrrrrrrrrrr




鳴り響くスマホの画面を見てみると、










“キムテヒョン”






そう表示されていた。











「もし、もし?」






『あ、もしもし。ヌナ?キムテヒョンだけど。』








テヒョン君は職場の後輩で、入社して来た時からヌナヌナ、ってすごく可愛い男の子。年は2歳差くらいなんだけど、いつも明るくて元気なテヒョン君とはなんの壁もなく接することができた。




「どうしたの?今日は日曜だけど」










『ちょっと気分転換に一緒に水族館とか…行きたいなぁ、って。』









「え?」







テヒョン君と二人でってこと…?








「でも、私…」








『彼氏さんいるのは知ってるけどさ…毎日元気なくなってくヌナを俺は黙って見てられないの。ヌナが泣きそうだと、俺まで泣きそうになるんだから。絶対楽しませてあげるから今日は付き合って…?』









「…」






二人の間の溝は日に日に深くなっていて、最近は会話もしないし、ただ同じ家に住んでいる人達。って感じ。触れ合うことも無くなったし、目すら合わない日も増えてきた。その状況が苦しくて、ここ数日程ろくにご飯も食べられてなかった。
きっとユンギは今日のことなんか忘れてるし、仕事も遅いって言ってたから私が居ないことさえ気づいてくれないかもしれない、少しでもいいから、…ユンギを忘れたい、











気づくと私はうん。と返事をしていた。

























「今日は友達と飲みに行ってくるね」


既読しかつかないトーク画面を閉じて、お風呂に入った。

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